2010年5月26日水曜日

わざわざリンクを切る日本の新聞サイト

腹が立つを通り越して呆れてしまうことに、ボクが知る限りの日本の大手新聞社のサイトは過去の記事へのリンクを一定期間後に全て切っていることがある。"Shooting one's own foot"という表現があるが、まさにそれではないか。これが当たり前だと思っているから、誰も文句を言わないのだろうか。


Google検索等からタダで記事を見られるのがいやで、過去記事を売りたいという意図は、分からないでもない。売れる物なら売ればいい。しかし、「404 Not Found: 過去記事のデータベースはこちら」といった表示とリンクがあるページが一瞬でたあと、トップページへ自動転送されてしまうのを見ると、何ともったいないことを、と思ってしまう。そんなことで、記事を買う気になると思う方がどうかしている。興味があるからその既に特定された記事へのリンクをクリックして辿って来たのに、振り出しに戻って最初からキーワードや日付を入れて検索しろということなのか?


記事を売るにしても、もっとユーザと商売のことを考えたやり方があるだろうに。つまり、見出しと最初の数行、それからほとんど読めないくらいでいいから、該当記事のlow-resolutionの全体画像を出して、「これ有料ですが、購入しますか?」というボタンを出すくらい、当たり前にできるはず。それなのに見事に横並びにどこもやらない。なぜだろうと思う。


そもそもこのネットの時代に、一度出た記事のブックマークを読者が取っておきたいという意図、あるいは正確な元記事を引用したいという意図を無視して、リンクの意味を消滅させていることに、何の疑問も感じていないのだろうか?かつて新聞は「時代の証人」だと自負していたのではなかったのか。その役割を放棄したのと同じことだ。過去形で書いたけれど、ボクの認識ではもう過去形が適当だ。記録の永続性と引用可能性という点では、新聞はそのrelevanceを失って、Twitter以下になってしまったと感じている。引用としての根拠になれないという点で、図書館へ記事の発掘に出かけられる人以外には、ほとんど終わっているも同然ではないか。Google/Yahooから、その存在も分からない記事は存在しないのと同じだと思う。短時間でも一度は存在した記事を敢えて消去して、有料の該当記事へのポインタさえも表示しないでいるのが、どうにもボクの理解を超えている。


ちなみに、たまたま見た、New York Timesの1993年のある記事が今でもある。(ただし、この形で1993年にネットに出ていたとは考えにくい。その頃は、NYTはPDFのダイジェスト版だったような気もする。)いつまで遡って見られるのか調べないが、時代の記録としての違いは歴然としている。



2010年5月16日日曜日

iPad WiFi版くらい普通に売ってよ

iPad WiFi+3GにソフトバンクのSIMロックがかかるのは、まあ当面は仕方ないとしても、3Gネットワークを使わないiPad WiFiまで、販売チャネルが制限されているのはいただけない。使う通信路の点では、iPod touchと全く同じなのに。iPad WiFi版くらい普通にどこででも売って欲しい。


研究用の実験装置のコントロールパネルとして使うために買いたいのに、これではね。いつものように、大学生協にiPad WiFiを買えるか聞いたら、まだどうなるかわからないということで、しばらくお預けか...


こうなると、iPad WiFi+3Gは、今度米国出張の時に買ってくるか、3G版はもう止めて、日本通信の b-mobile WiFiくらいにしておいたほうが、いいかもしれないと思い始めている。こっちだったら、MacBook Proからも場所を選ばず使えそうだし。おそらくは日本では実現しないiPhoneのtetheringのことも、これによってどうでもよくなる。


しかし、出張等ではMacBook ProもiPadも持って行く事になりそう。やりたいことが全部iPadではできない。自分の発表が無い日に学会会場に持っていく道具としては、iPadが最適のように思う。


先週の、Matlabのライセンスサーバ、無事にMacOS X Server 10.6.3 (Snow Leopard Server)で動作してます。ただ、起動script関係にバグがあるようで、lmgrdを直接起動しないとダメ。

2010年5月5日水曜日

研究室のApple Xserveを更新

7年前くらいのG4 Dual Xserveから2x2.26GHz Intel Xeon Quad-Core Xserveへの移行、ほぼ完了。サーバなのに普通のデスクトップの場合とほとんど同じで、target-diskモードにした旧マシンからほとんど自動で移行。こんなに簡単にできるのだったら、連休を待つ事もなかったか。
しかし、2TB x 2をハードウエアRAIDカードでRAID1(ミラーリング)にしたが、初期化がものすごく時間がかかった。初期化が終わらなくても使い始める事はできるのだけど、12時間ほどもかかった。
あとは、外付けRAIDにTimeMachineバックアップ設定と、Matlabライセンスサーバを残すのみ。後者が問題かも。

2010年5月2日日曜日

留学と「将来の保証」という概念

留学についての理系学生の意識が、ボクが学生だった頃と本質的に同じなのか違うのかはわからない。ただ、印象としては外国に留学したいという学生が、期待しているよりは少ないと感じる。32年前、ボクが1年間のある奨学金(これについてはいずれ別に書きます)をいただいて、初めて米国に留学したのが1978年で、成績的にはおそらく中くらいで田舎出身で押しも強くないボクが選ばれたのは、工学部という理系の応募者が、当時でもおそらくあまりいなかったからだと思っている。


良くも悪くも、日本は豊かになっていて、科学のレベルでも世界に負けない分野が多くある。わざわざ外国へ行って大変な目にあわなくても、トップレベルの研究はできるし、それなりに幸せな人生は送れる。それに外国へ行っても、日本へ帰ってくる事が難しくなる。今いる有名教授のもとでやっていた方が、勝手のわかった環境で、これまでのやり方の継続で論文はたくさん出せるし、教授のコネで就職も世話してもらいやすいはずだ、といったところがボクが伝え聞く、あるいは想像する若い人なりの理由づけだろう。(ボク自身は、有名でも無いし全くその種のコネは無いので、最後の点については少なくともボクの研究室については当てはまらない。)


ここで話しをしているのは、在学中にちょっとだけ交換留学で行くとか、教授の知り合いの研究室で実験をしてくるとかの、日本での居場所を保証された上での留学でなく、外国で博士を取得するために行く、あるいは日本で博士を取得後に、日本での職は辞して外国へ研究員などで行く場合のことだ。これらの経験を軽んじているのでは無く、やはり日本のポジションを残したまま行ける場合は、だいぶ行きやすくなる。それでも、行きたがらない人も残念ながらいると思うが。


こうした状況の認識は、おそらくボクだけが感じている事では無く、多くの方から聞く。若い人たちが、内にこもってそれなりに満足している状況は、日本全体としての科学のレベルや国際競争力の点で、絶対に不利な状況を作り出しているはずで、大きな危惧感を持って見ている。個人レベルでは、上のように考えるのは分からないこともないけれど、日本の研究者全員がそうして、一種引き籠っていたら、日本全体の将来はとても暗い。豊かな日本も、それなりに幸せな人生も、みんなで一緒に砂に頭を突っ込んでいる間に、どこかに行ってしまう。豊かな国に生まれたというだけで、将来ともに豊かに暮らす権利が自動的に保証されている等という事はあり得ない。残念ながら、その兆候はすでに明らかなのでは?中国の学生が米国にいって大学院で教育を受け、あるいは研究員として研究する意欲とそのためにやっている努力と元気さに比べたら、本当に大きな開きがあるだろう。


ただ、日本の科学が...等という事を若い人に言ってもしょうがない。言うべきでない。遣唐使ではあるまいし、今の時代に日本の将来のためだから等という理由で無理矢理派遣できるわけでなく、仮にできたとしても、望ましいわけがない。そういうことを考えなくてはいけないのは、彼らでは無い。


若い人たち個人個人にとって、留学をする理由は、あくまでも本人が自分が研究者として成長し、いい研究をするためにあると思っている。一番成長できるところ、一番思う通りの研究ができそうなところを選んで行くものだ。日本のために等という動機は不純であると思う。科学の発展は、基本的にどこで行われても変わらない性質のものだ。だから、40~50代までは日本の科学は...等と考える必要は全く無いと思っている。もちろん、研究者が留学のために受ける奨学金等には、税金から支出されるものが多くある。そうであっても、国民の皆さんには彼らを「思う存分一番研究ができるところでやってこい。」というスタンスで送り出していただきたいと思う。帰って来て、日本のために役立つ事も一つの可能性だが、それを求める必要はないと思う。実際には、博士を取得してから外国に研究員として留学する場合には、留学先の教授の研究費で雇われる事が圧倒的に多いはずである。つまり、博士レベルの研究者の場合には、彼らの給料は行った国の税金から支払われていることが多い。狭い地球だし、日本は途上国でもない。自分たちの税金で育った人たちが、どこかでいい研究をして役に立ってくれれば、それでいいのではないだろうか。多くは留学先の人々に育てられ、さらに成長して帰ってくる。一部は向こうに根を下ろすのもいい。それに、日本にだって、外国出身の優秀な研究者はたくさんいる。


問題は、留学というのはそういうもので、研究者としての成長と実際の研究が最も良くできるようにするためにするものだとわかっていても、当事者としては、そう簡単に決断できるものではないことにある。制度的な面、意識の面で、外国での研究経験が十分に例えば大学教員採用の選考時に十分考慮されるようにする必要があると思う。だが、博士取得後、数年の間の単純な業績や研究成果だけを考慮するとなると難しい点もある。


ボクはそれでも自分の学生たちには留学をすすめている。彼らに、何も保証してあげる事はできない。それでも、科学者を目指すのだったら留学はすべきだと思っている。研究室を変わり、新しい事を学び、新規プロジェクトを考え、慣れない外国で暮らし、成果をあげることは並大抵のことではない。数年では成果がでないかも知れない。しかし、それでも留学すべきだと思う。


やはり、最終的には自分の気持ちの問題になる。どんなに制度面で留学経験を優遇しようとしても、個人レベルでの将来の保証はあり得ない。留学には真の楽天性と底の部分で自分を信じられるという性格が必要かもしれない。将来の保証といった概念が頭から離れないような人には、もともと無理な話かもしれない。これは、かなりの部分、博士の就職の問題とも共通するところがある(今回はこの問題は置いておく)。


留学をしたら、ある程度回り道をする事になるのは当然であり普通だ。業績リストに切れ目ができるのは普通だ。それでもボクは回り道をした方が絶対に良いと思っている。有名教授の手のひらの上で、先生のしいたレールを疾走して業績を出し続ける道を選ぶのも、一つの道だとは思うが、それは薦めない。先が見えてませんか?回り道をできるうちに、30代の内に、回り道をできるだけしておく事が、研究者としての自分の大きな成長の糧になると確信している。将来の保証なんて、どちらにしても幻想ではないのか?日本に留まっていたって。大企業だってつぶれる時代だ。


自分のことを振り返ると、周りの環境のことも無視はできない。ボクの両親は、長男なのに、進路に関してやりたいようにさせてくれた。健康で長生きしてくれていることも、非常に大きい。また、「XXはつぶしがきくからなぁ〜」等というボクの大嫌いな言葉は決して口にしなかった。そういうことを言う親戚もいなかった。今外国にいる方は、もしうるさい親戚がいる場合は、Skype等は教えないようにしておかないと、大変かもしれない。両親は、ボクと家族がアメリカから帰っては来ないと覚悟をしていたと思う。ボク自身もそれは、scienceをやめる可能性も含めて、覚悟はしていた。妻は、ボクがアメリカで死んだ後、自分がボケたらどうなるんだろうと、心配していた。自分の英語はダメになり、子供の日本語もどうなるかわからない。(ちなみに、これ、米国に永住している日本人女性にとって、切実な問題のようです。)


しかし、米国に行ったおかげで、「同期のあいつはxxなのにオレは...」等と、自分の境遇を比べる相手も周りに無く(というより比較しようにも条件が違いすぎるから)、嫌な事をさせる日本的なボスもおらず、邪念もほとんど入らなかった。バークレーの天国のような外を歩けば、日本の事など忘れてしまう。純粋に自分に正直に生きて来られたと思う。感謝している。ボクが留学で得た最大の収穫は、まわりの趨勢がどうであっても、Try to do the right thing、を続ける事ができるとわかったことだ。 米国から帰国して、10年になるが、あの頃と同じくらいの純粋さで研究を続けたいと思っている。できると思う。


結論は、月並みな事になってしまうけれど、一度しかない人生です。科学者を目指すのだったら、一番おもしろいことができる場所で思う存分やることが、回り道であっても正道だと思う。奈良時代の遣唐使や僧のように外国へいくのに死ぬ覚悟はいらないけれど、あの時代、日本を立って行った人たちのことを少しでも想像すれば、留学なんてもっと気軽にやってもいいと思わないですか?


いま留学中の学生や研究者の方々と、これから行ってやろうという元気な若い人たちの活躍を祈ります。

ボクが見ている英語サイト 3:The Daily Show

ボクが見ている英語サイトの #3 です。
### Advanced content warning! ###
The Daily Show with Jon Stewart
http://www.thedailyshow.com/full-episodes/


カナダから来ているPさんに、2年ほど前に教えてもらいました。それ以来、時々週末にまとめて見ています。簡単に言えば、時事問題、特に政治を扱ったcomedy showです。Pさんによれば、視聴者は20~30代のcollege graduatesが中心で、一部では米国の大手ネットワーク等よりニュースのソースとして信頼が厚いそうです。その後、実は40~50代の結構な地位にある人たちも見ていることを知りました。この方達は、The Daily Showだけがニュースのソースということはないでしょうし、表向きには見ているとは言わないでしょうが。共和党の支持者にはこの番組を嫌う人が多いかもしれません。


番組の前半でよくあるのは、その週に大手ネットワークのニュース映像で色々な人がしゃべっている場面で、同じような事を言っているクリップを2-3秒ずつ、10人程度次から次へと出して、"What !?!?" といいながら顔を作る、あるいは驚いた表情で息を飲む、だけだったりします。4文字のイケナイ言葉も使います(ピーが入りますが)。出てくる人たち、というかダシにされる人たちは、政治家であったり、大手TVネットワークのアンカーや記者だったりです。よく、ニュースでは文脈を外して一言を取り出す事が批判の対象になりますが、Jon Stewartは、それいわば逆手にとって極限まで短くして、しかし、あまりにも多くの人が同じ時期に同じ事を言っている事を強調してくれます。個別に聞いていれば、そんな物かと聞き流していた事も、10人分の同じ表現を集められると、直接にその内容を批判しなくても、真実がどういうことなのか明白になってしまいます。示し合わせて、言う事を統一しているような場合は、まるわかりです。この他にも、ニセのニュース番組を作って見せる事で、下手な本当のニュースより、これも真実がかえってよくわかる。そういうところが、多くの人たちがJon Stewartの番組に求めていることでは無いかと思います。


後半は、ゲストを招いて1対1でのインタビューです。この部分が本当に見物の時が多くあります。場合によっては真剣勝負ということもあり、日本での多くの弛緩したヤラせインタビューでは見る事のできない緊張感があるものが、時々あります。しかし、やられると分かっていて、敢えてゲストとして出てくる政治家や本の著者たちもいて、それも凄いなと感じます。


政治や経済等がトピックになる日本の番組は見る気がしません。そもそも、1対1で真剣勝負というのは無いように思うし、大勢での雑談的な番組構成で、タブー有り過ぎの舞台裏が最初から見えているようなものばかりです。


The Daily Showには、たかがコメディアンがやっている番組とは言えない影響力があります。2010年4月で年齢を理由に番組を降りた、Bill MoyersがJon Stewartをゲストに呼んで、まじめなインタビューをした2007年4月27日の番組のビデオがあります。ボクの好きな二人です。Jon StewartがBill Moyersに対して持つ尊敬の念があふれていることがありありとわかるし、かなり年下であるにもかかわらず、MoyersもStewartを非常に信頼していることが見てとれます。Moyersが一度The Daily Showの(fake newsの)記者として応募したのだが不採用だった、とコメントし、また、それに対するStewartのレスポンスもおもしろい。


Bill Moyers Journal: Jon Stewart (April 27, 2007):
http://www.pbs.org/moyers/journal/04272007/watch.html


を見て下さい。Bill Moyersのインタビューを一つだけ見るのだったら、これを薦めます。まだ、大統領選の大分前ですが、後に共和党の大統領候補になる当時は上院議員だったJohn McCainと1対1で真剣勝負しているクリップは、生ぬるい日本の番組に比べるととても新鮮で驚きに感じます。ベトナムでPOW (prisoners of war)として過ごし、仲間と一緒に生還した経験を持つMcCainを相手に、これだけのことをできるのは普通ではないと思います。Stewart本人は自分はジャーナリストでは無いと何度も言っていますが、周りの多くはそうだと思っています。無視できない人です。


CNNとかBBCだけが英語ニュースだと思わないで、こうしたadvanced English contentも見ることをお薦めします。日本と同様に、大新聞や大TVネットワークだけを見ていては、分からないと思います。Spin doctorが大勢いて、訳の分からないことを言うから。

2010年5月1日土曜日

ボクが見ている英語サイト 2

ボクが見ている英語サイトの #2 です。
Advanced content warning
The Joy of Tech http://www.geekculture.com/joyoftech/
説明は必要無いでしょう。