2011年3月31日木曜日

日経BPのおかしな記事

「プルトニウム測定器」のお粗末はもう勘弁(伊東 乾;日経BP;2011年3月29日)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110310/218929/
という記事は変だ。

なぜ伊藤氏が、『東電が「プルトニウム測定器」を持っていない、と報じたメディアやジャーナリストの方々は、しばらく関連の内容に一切発言されないことをお勧めします。』とまで非難し、まるで鬼のクビでも取ったかのように息巻いているのか、私には理解できない。

ボタン一つで答えの出るプルトニウム全自動測定器が存在しようが、三日三晩アクをとったり手間暇かけてサンプルを料理しないと結果が出ないのであろうが、そんなことはたいして重要なことではないだろうに。だいたい、現在利用されている、他の多くの様々の全自動測定器が行う計測も、昔は何日もかかった事例も多いだろう。少なくとも、この件に関して、「しばらく一切発言するな」、などという偉そうな物言いに値するミスだとは、私は全く思わない。

そもそも、問題にされていたのは、東電によるプルトニウム計測の初動の遅れであって、そのことに何も触れずに、測定原理を知らなかったからジャーナリストの資格が無い、等と非難するのは、それこそ的外れであると思う。

3月14日にはMOX燃料を使う3号機が水素爆発を起こし、明らかに1号機とは異なる真茶色の噴煙を吹き上げた。世界の人々の危惧は、あの噴煙、というか空高く舞い上げられた多量の固形物は何だったのかにある。核心的疑問は、あの中に使用済み核燃料が含まれていたのかどうかだ。だから、あの爆発後、できるだけ速やかに固形物が落下した3号機周辺の落下物のサンプルをプルトニウム分析を含む成分分析にかけることは、当然のことだ。その当然の分析が、資料として全く出て来ないことを問題にしての質問であり、発言だ。

東電は、国民だけでなく世界に対してその答えを出す義務がある。付近で作業をする人々の被曝を本当に心配しているのなら、少なくとも、先ずこれらの方々に対して最大の義務を負っている。義務などと言わなくても、水素爆発によりどこが被害を受けたのか同定するのに重要な情報源となるはずなのに、落下物が最も多い場所からサンプリングせずに、700mも離れた場所からのサンプルを解析しているのは、どう見てもおかしくはないか。

専門家のみが、こうした疑問を投げかける権利を持つ、等といった間違った考えは何人も持ってはならない。おかしいと感じたら、だれでも疑問を投げかけるべきだ。一般人のこの程度の疑問に、不確定さはあっても誠心誠意の答えができない、あるいは答えを出すための当然の努力をしないようでは、専門家が聞いて呆れる。権威をかさに着て、ジャーナリストを含む普通の人からの疑問や質問を押さえつけようとするような人は、私はまともな科学者や技術者とは認めない。国難に立ち向かうために一致団結が必要なのは、そこでは絶対無い。重大な疑問があるのに、沈黙していることでは無い。

責任のある人たちが、当然のことをやってくれていれば、私などがこんなポストで自分と皆さんの時間を無駄にする必要も無いはずなのに。

日経BPは良い記事が多くて、日経本紙よりよほど有用だが、この記事はいただけない。ここ1年の日経BP最悪記事にノミネートしておきたい。
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2011年3月29日火曜日

プルトニウム計測で不審に思う点

なぜ、水素爆発を起こしたMOX燃料入の3号機周辺10m以内の土壌サンプルでなく、そこから600-700メートルも離れた、誰もほとんど立ち入りもしないようなグラウンド等のサンプルを検査するのだろう?

私だったら、作業員が命をかけて歩き回っている、これからガレキの除去も必要な1−4号機周辺の土壌を真っ先に検査するだろうし、人が歩き回っているのだからサンプルの採取ができないハズはない。5カ所のサンプル点の内、2カ所しか場所が明示されていないが、3号機周辺10m以内も検査されて、かつ数値が出ている2カ所より小さな汚染だったのだろうか?

いずれにしても、こんな、いかにも数値が低く出そうな遠くの地点でサンプリングしたりするから、怪しいと思ってしまう。本当に作業員の安全を考えているのであれば、早急に原子炉周辺の土壌の検査結果を公表して欲しい。何日か時間がかかるのは知っている。それにしても、最初のサンプリングが21日とは、1週間遅い。
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風評被害は防げるかも:「はかるくん」を家庭に一台

冗談に聞こえるかもしれないが、90%本気で書いている。東北地方の農産物や海産物の風評被害を防ぐには、この方法しか無いと思う。

どんなに新聞テレビ等で政府、東電、専門家が「ただちに健康に影響は無い」、「基準が厳密すぎる」、「検出された放射能レベルは低い」等と言っても、不安が消えることは無い。そもそも、そういうアピールをする人々を、疑いの目で見る国民が増えているのではないかと思う。無理もない。彼らがアピールすればするほど逆効果だとさえ思える。

情報を最小限だけ小出しにしか提供しないから、大きな数値が隠蔽されているのではないかと増々疑いをもたれる。単に、情報公開すれば良いかと言えば、それでも実際にマーケットでの消費行動の時には、生産者に申し訳ないとは思いながらも、念のため西日本産を買って行く人が多くなるのは避けられない。売れない物は仕入れの段階で忌避され、マーケットにさえ並ばなくなる。流通のどこかで産地偽装などを始める、よからぬ事例もこれから出てくるかも知れない。

解決法は情報収集と公開の徹底的推進しかない。つまり、個人ベースの「いつでもどこでも放射能計測」の実現。放射能は見えないから怖さが増す。見えるようにすれば、だれかに説教されなくても、自然に落ち着く。

具体的には、「はかるくん」を家庭に一台無料配布すれば良い。

「はかるくん」は、小型の簡易放射線測定器の愛称だ(主としてガンマ線、機種によってはベータ線も測れる)。センサー部分のコストは知らないが、そう値段が高そうには見えない。

「はかるくん」とは? (JST)
http://hakarukun.go.jp/html/what.htm

「はかるくん」の使い方(分かり易い解説)PDF
http://hakarukun.go.jp/pdf/text01.pdf

日本科学技術振興財団の小中高教育支援プロジェクトで、主としてガンマ線測定器を学校にあるいは個人に貸し出して、放射能の理解を深めようとの趣旨で行われていたようだ(平成20年度で終了?)。身近にある放射能を知ってもらおう、「原発アレルギー」を軽減しようという意図も、このプロジェクトができた経緯には、あったかも知れない。いずれにしても、その成果を活用する時ではないか。

異常なレベルの食品の放射能を、これで測れればの話しだが、「はかるくん」を日本の技術力でできるだけ小型化して、量産して安価にし、無料で家庭に1台配れば良い。2台目以降も個人で買えるようにすれば良い。この場合精度はそんなに必要無い。それこそ2-3倍程度の誤差があっても、全く構わないと思う。

買い物の時、食べる前に、「はかるくん」をかざして問題なければ、福島産のホウレンソウ、牛乳、その他の農産物、あるいは海の幸でも、私だったら喜んでいただく。

外国では、しばらくは風刺画やjokeのネタにされるだろう。寿司屋で出された寿司に放射能計測器をかざす客、Tea ceremonyで同じことをする客、といった風刺画が目に浮かぶ。しかし、彼らも笑ってから、自分も1台注文することになると思う。

味気なく悲しい光景だが、農家の方や漁師さんの自殺(出てしまったようだ)等を少しでも防げるのではないか。放射能はヨウ素131等の半減期が短いもの以外は簡単には消えない。できるだけ早く、全てのマーケットのチェックアウトに常備して欲しい。

ちょっと聞くと、こんなことをすると却って不安を煽ることになるという気もするが、物は考えようではないのか。本当ならサルモネラ菌等の汚染を自分で簡単に計測できれば、生卵や好きな生ガキを食べる前にチェックしたいが、簡単ではない。それに比べれば、「はかるくん」による放射能測定は、原因の物質の種類はわからないが、非接触・非破壊検査だ。いくら測っても商品をダメにしないし、包装やサランラップを取る必要もないので、計測による雑菌汚染もない。ケータイサイズの装置をかざすだけですむことなら、測らないほうがおかしいと、そう思えば良い。

ガンマ線、ベータ線の計測だけが可能で、アルファ線はこれでは計測できないので、今回放出された放射性物質の種類をどの程度カバーできるのかは知らないし、昆布などの乾物以外の食品の放射能は微量で計測が難しいと、上にリンクした資料にはある。通常の食品はバックグラウンドレベルと区別できないかも知れないが、今回は通常ではないものが区別できればいい。事実、昆布を食べているのだから、それで十分な気がする。乾物売り場で西日本産の昆布を測り、それから東北のホウレンソウを測ってみれば、自分の感覚で許容量を各人が決められる。どんな専門家のウソっぽいアピールよりは風評被害防止に効きそうな気がするのだが。

誤動作の可能性、安いものは定量的な計測精度が保証できない等、専門家は心配するだろうが、スクリーニングであるし精度保証は2倍程度におさまっていれば良い、皆が持って変な値を確認し合えば、特定の機械の故障は問題にならない。

もしかすると恥ずかしい間違いをおかしているかもしれない。単なる素人のアイデアではあるが、どなたか検討して欲しいと思う。
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2011年3月28日月曜日

NILU-ATMOSによる福島原発放射能拡散予測モデル

ノルウェーのNorsk institutt for luftforskning (NILU)という研究所の、研究段階の実験的なNILU-ATMOSによる福島原発からの放射能拡散のモデル予測をWebでアニメーションとして見ることができる。

Special Forecast products for Fukushima produced by NILU-ATMOS
http://transport.nilu.no/products/fukushima

米国のU.S. National Centers for Environmental Prediction (NCEP) Global Forecast System (GFS) というモデルによる風向風速分布の予測結果を使った、つまり予測結果を使った予測なので、実際の分布とどれほど合うのかは保証はないのだが、非常に参考になると思う。(注意:元データが限定的で、精度の高い予測には粗すぎること、放射能の絶対値もカラースケールでの表示はあるが、数値は「最悪のシナリオ」での放出量を仮定しており、このような放出はまだ起っていないようなので、今後正確なデータが手に入れば修正されるものだ、との注意書きがある。それから、カラースケールは対数軸であることに注意して欲しい。緑色はピークのおよそ1/100、白紫はピークの1/10000の濃度になっている。)

その時々の風向きによって、大気中に漏れ出た放射性物質が色んな方向に流されて行くことが見て取れる。個々のアニメーションフレームの精度は必ずしも良くないかもしれないが、例えば100枚のアニメーションフレームの時間平均を見れば、結果はそんなに実際とかけ離れてないのでは無いかと思える。時々首都圏や日本海側までもが、たなびく「放射能の雲」に触れる時があることが心配だが、これを見ると浄水場の水から放射能が検出されるのは、当然だろう。

さらに、日本各地で現在稼働中の他の原発の場所に、この予測分布の発生源の位置を頭の中でシフトして見ている。浜岡と敦賀に発生源をシフトしたプロットを想像すると、非常に心配だ。

不安にはなるが、不必要に煽っているとは思わない。落ち着いて状況を知り、しかし重大な危惧を持つべきだ。専門家たちが「想定外でした」というのを、私も含めて多くの人が批判しているが、専門家たちが素人レベルで可能な想定さえもしていなかったことが今回の事故で判明した。それが明らかになった以上、後で「想定外」でしたと今度は我々自身が言わないためには、全ての人が見ておくべき予測結果だと思う。

夏のピーク需要が来る前に、西日本も特に場所的に不安の大きい、あるいは古い原子炉から(できれば全部)一時停止して、節電と週間および昼夜の負荷の平準化の方策を講じながら、ドイツと同様のチェックと対策を行うべきだ。準備に4、5、6月と3ヶ月ある。

多くの原発の健全性に重大な疑いが出てきたにも関わらず現状放置を許すのであれば、「次回」には原発関係者だけでなく、国民も不作為を問われる。
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2011年3月26日土曜日

下請け企業の作業員は長靴も提供されないのか?

24日に3号機のタービン建屋地下で作業中、足のくるぶしから下の皮膚に2-6シーベルトの被曝をした、東京電力の「協力会社」で電気設備工事大手の関電工の2人について、

日経 2011年3月26日朝刊:
「関電工の2人は、深さ約15センチの水たまりの中で短靴で作業しており、同研究所での診察の際『2時間ほど水に漬かって作業していた』と話したという。」

「水たまりの中で短靴で作業」というのは、いったいどういうことなのか?さんざん水を撒いた付近の建物の地下室に行かせるのに、長靴も提供しなかったのか?靴を替えに戻ることも許されなかったのか?そもそも東電は、どのような服装で作業をさせているのか心配になってきた。ちゃんとした防護服は提供されているのか?こんなことは、当然すぎて疑問にも思っていなかったが、彼らはちゃんとマスクはしているのか?簡単なマスク程度では、不十分ではないのか?

服装や装備、安全教育訓練は直接の雇用主である下請け企業の責任だというつもりなのか?関電工はかなりの大手のようだが、下請けの作業員に、10年後に放射能障害が出たとき、多くの小さな下請け企業はもう存在もしていないかもしれない。

福島原発の後始末で10年、20年後に病気になったとき、そこで働いていたことの証明は誰がしてくれるのか?

自衛隊員、消防士、機動隊員は公務員でそういう点は心配ないが、同等かそれ以上に危険な仕事をしている下請けの作業員は「使い捨て」にされていないだろうか?自衛隊員に万一の事があった場合の「見舞金」の最高額が1.5倍の9000万円に引き上げられたそうだ。当然だし、いくらにしても十分ということは無い。しかし、下請けの作業員には見舞金はあるのか?何か保障制度ができたとしても、10年後に「原発で作業していた事実と被曝量の公的証明書」を要件にされたりして、実質的に門前払いにされる心配がある。状況はわからないが、そんなことが許されていいわけがない。

法的にどうなのか等、まったくわからないが、このような命にもかかわる危険作業の下請けは禁止されるべきではないのか?技術を持つ人材が下請け企業にしかいないのなら、使用者の責任の明確化の点からも、一定期間出向してもらって東電の正社員としてやってもらうのが、当然と思える。

後始末は5年はかかるとも言われている。一体、何人が...
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2011年3月25日金曜日

生物工学コース・生命機能研究科を卒業される皆さんへ

生物工学コース・生命機能研究科を卒業される皆さん、今日はご卒業おめでとうございます。

いつもの年であれば、素晴らしい将来のことばかり述べてお祝いの挨拶とするのでしょうが、今年は東北や関東で起っていることを横に置いて、何か素晴らしいことばかりお話しすることができません。被災された方のことを思うと、適切なお見舞いの言葉もありません。また、今私たちがこうして卒業を祝っている間にも、生き残るだけで精一杯の方達、現地で救援、輸送、復旧、そして暴走しかかった原発との戦いに当たられている方々があります。こうした方々のご健康とご無事を祈りたいと思います。

地震や津波は天災で、この国に住む限りどうしても避けられないところがありますが、今回の原発事故は明らかに人災の面があると思います。私たちは生物工学・生命機能研究科だから、直接関係は無いではないか。私たちが口を差し挟むことでは無く、原子力の専門家に任せれば良い、と思っている方がほとんどかもしれません。私も最近まで、10日ほど前まではそうでした。しかし、ここ10日ほど、実はそういう考えは間違っているのではないかと思い始めました。逆に、多くの人のそうした考えが積み重なって、今回の結果になったのではないかと思います。正直に告白しますと、そんなことを考えたり、ニュースをチェックしたりで、研究論文を読んだり脳や視覚のことを考えたりという本来の活動等は、この10日間ほとんどできませんでした。

確かに我々の分野から原子力までは遠いですが、我々の関連分野で、今後大問題が起らないとは言えません。BMI (Brain Machine Interface)、遺伝子関連研究の倫理的問題や、バイオハザード等は、原発の問題のレベルまでは行かなくても、大きな問題になる可能性があります。

政治や利権、それから英語だとgreedと言いますが、そうしたより大きな問題を横において、科学や工学の観点からだけ見ても、今回の原発の問題は、言葉は悪いですが敢えて言いますと、「専門バカ」が作り出した部分が大きいのではないかと思います。ここで私が言う「専門バカ」とは、細分化された自分の担当する専門分野以外のことは考えない、考えることを敢えて避ける、何か気がついても仲間や会社を困らせることになるので言わないという態度です。頭の良さ悪さではなくて、何か「空気を読む」ことがそうさせるのか、個々の人は頭のいい人たちなのに、ある種の集団に属すとダメになるのだと思います。

このような態度が重なって最終的に起こした最悪のケースが、今回の原発事故です。福島原発では、数メートル程度の津波しか想定していなかったと聞きます。1000年に一度の災害だから、想定できなかったというのはウソですよね。誰かは気づいていたはずです。だって、原子炉制御室にいた作業員の方たちは、地震で制御室の電気が切れた時、誰かが「津波がくるぞ!」と叫んで、全員無事に一時避難することができたそうです。その時は、M9.0とかわかってはいませんでした。現地の海岸に立ったことがある人なら、博士号を持つ人が多くいる開発企業、GE、東芝、日立、鹿島や東京電力、お墨付きを与えた学者や、お役所の誰も気づかなかった等と、私には到底考えられません。1970年代当初はともかく、2000年以降にあった見直しの機会にも、だれも問題にしなかったのでしょうか?

いずれにしても、想定される津波が数メートル程度という数値に設定されたのは、過去の津波データによる根拠等とは違う、まったく別の理由からだと思います。これ以上言わなくても、別の理由が何かは想像できると思います。津波のことだけではありませんが、想像できなかった人は、後藤政志さんという、今は退職されていますが、東芝で原子炉格納容器の設計をしていた工学博士のビデオを見ると良いと思います。彼の言葉は我々が科学を議論するときの言葉と同じです。言葉は注意深く選びますが、普通の人が使う言葉です。聞いていて解ります。

前置きが長くなりましたが、本論です。

生物工学コースの前身である生物工学科(私にとっては、生命機能研究科は生物工学の拡大大学院版です)がそもそも始まった最初のきっかけは、「専門バカ」を養成するのでなく、Leonardo da Vinciのような人を養成しなければ、という思いだったと聞いています。日航機事故で亡くなられた塚原仲晃先生(村上先生や山本先生の先生です)が、いつもそうおっしゃっていたと聞きました。da Vinciのような人というのは、つまり、「異分野融合」を個人で実現しているような人です。私は生物工学の出身ではありませんが、この理念にとても共感します。だれもがda Vinciのレベルまで到達できるとは思いませんが、皆さんは絶対そこを目指すべきだと思います。da Vinciだって、大きく成長したのは、結構な年になってからではないかと思います。

この学部あるいは大学院卒業の時点で、皆さんはda Vinciまでいっているはずも無いと思います。ということは、ほとんど全てはこれからということです。

ですから、生物工・生命機能の一教員としての私の願いというのは、生物工学コース・生命機能研究科を通過したことで、多くの専門分野を「あ、これは私には無理」とか言わずに、恐れずにどんな分野にでも飛び込んで行ける、ちょっと気を入れてやればできるはずだ、という自信を、ある程度…かなり持って卒業していただきたい、ということです。実際には、あらためて私が言わなくても、皆さんは既に普通にそう思っているのではないですか。どうですか?

それって、実はスゴいことだと私は思います。

やり方が少し分かっていれば、これから就職される方も自分で学んでいけると思いますし、幸いこれから大学院で修士あるいは博士という方は、もう少しda Vinci的感性というか態度を研ぎ澄ます時間があると思います。

da Vinci的感性と態度が、本当は全ての理系の人に必要だと思います。具体的には2点あります。まず、第一に自分が「専門バカ」にならないようにすること。それから、第二には、明らかに「専門バカ」の集団が作ったと思われる設計、政策や方針は、何とかして修正させる。こんな根が深い大問題をどうしたら、自分や周りの人を不幸にせずに解決できるのかは、わかりません。直接口を出せればいいですが、普通は難しい。しかし、少なくともda Vinciを目指す皆さんが、それを自覚しなかったら、諦めたら、多くの他の人たちも含めて、この国の将来は暗いと思います。いい方法を考えて下さい。まずは、メディアを含めて専門家という権威を疑ってかかることです。もともと大した力はないのですが、教授もそこに含めて構いません。疑うことを教えるのが我々の仕事ですから。それと、行動としては投票に行くことですかね。

今は先が読めない不安の時代だと言われています。私は、皆さんにとっての解決法は、というか解決法は簡単にはないので、対処法は、一言でいうとしたらda Vinci的思考と態度しか無いと思います。自分のことで恐縮ですが、私は何の保証も無しに外国へいって、最後は向こうで骨を埋める覚悟を一度はしていました。少しは不安でした。その自分の経験からは、それしかないと思います。しかし、それを目指して実践していれば、不安はあってもやって行けると思います。皆さんの将来をきっと素晴らしいものにできると確信しています。

何か、分をわきまえないことをたくさん言ったと思いますが、全部本心のつもりです。

最後に、もう一度皆さんのご卒業と今後のご活躍を祈念して、私からのお祝いといたします。
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2011年3月24日木曜日

New York Timesの震災写真

3月11日からの写真の特集ページがNew York TimesのWebサイトにある。ここしばらく、福島原発の状況に多く気を取られていたが、あらためてこれまでの200枚程の写真を見て、とても息苦しくなって、2-3時間何もできなかった。

日本の新聞やテレビには出ない写真が多くあると感じた。これでも、一部を切り取った写真であって、現実はもっとひどいことになっているのだと思うと、本当に何も言えない。写真のクレジットは、Reuters等経由だが日本人の名前になっている。日本人が撮った写真が多くの日本人の目に触れることは無いという事実を、現地で写真をとった人たちは、どう感じているだろうか?

死を含めて、本当につらい現実の状況を知ることを避けるようになっているのだろうか。それとも、遠いアメリカからは気持ちの上でも距離を置いて見られるからだろうか。
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米国エネルギー省のAMSによる計測結果が公表されている

2011年3月18日(金)のポスト、
米国エネルギー省NNSAが放射能計測
http://www.ohzawa.net/2011/03/nnsa.html

NNSA(National Nuclear Security Administration)のAerial Measurement Systemによる計測が始まったと書いたが、その結果がブログとして随時公開されている。

EnergyBlog: The Situation in Japan (Energy.gov)
http://energy.gov/situation-japan-updated-051311

PowerPointのスライド等、詳細な放射能分布の地図や解釈のためのガイドがダウンロードできる。データの具体性で、いまこれ以上の一次データは無いだろう。
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追記 (2011-04-19):
NNSA-AMSによる福島県住民の最新被曝予測(3月16日から1年間)
http://www.ohzawa.net/2011/04/nnsa-ams.html
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2011年3月22日火曜日

English Dictation課題 #115: White House Press Briefing 2011-03-17

新しいEnglish Dictation課題 #115です。

内容は、福島第一原発の事故に関する米国政府の2人の記者会見。

Greg Jaczko (Chairman of the Nuclear Regulatory Commission)
Dan Poneman (Deputy Secretary of Energy)

課題115Aが2人のオープニング説明。課題115Bは記者との質疑応答。記者たちの質問はTEPCOと日本政府に対して非常に手厳しい。政府側の2人は、ダイレクトな答えを避け、なるべく日本の相手方を批判しないように気を遣っていることが、ありありとわかる。世界がTEPCOや日本政府の対応をどう見ているかは、記者たちの質問を聞けばわかるだろう。

課題115A (元ビデオの01:21から183秒)
http://ohzawa-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/dictation/d115/031711WHbriefing-0121-183s.mov

課題115B(元ビデオの12:22から182秒)
http://ohzawa-lab.bpe.es.osaka-u.ac.jp/dictation/d115/031711WHbriefing-1222-182s.mov

元ビデオはホワイトハウスのサイトにある:
http://www.whitehouse.gov/photos-and-video/video/2011/03/17/press-briefing

直接ディクテーション課題とは関係ないが、一つ米国を賞賛したいのは、米国政府が作成した文書、ビデオ等のほとんどが著作権の対象となっていないことだ。誰もが2次利用して、パロディに使おうがDVDにして売って儲けようが構わない。このおかげで、皆さんが使い易いように切り出したビデオを上のように再配布できる。何でもかんでも米国の方が良いわけではないが、少なくともこれは賞賛に値する。
White House Copyright Policy
"Pursuant to federal law, government-produced materials appearing on this site are not copyright protected."
http://www.whitehouse.gov/copyright

それに引き換え、これは何だ:
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=CR
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English Dictation課題 #114: Sample Result -- Matt Walker: Secrets of the Sleeping Brain

English Dictation課題 #114(2011年3月11日金曜日出題)
http://www.ohzawa.net/2011/03/english-dictation-114-matt-walker.html
の解答例です。

Matt Walker: Secrets of the Sleeping Brain (FORA.tv)
http://fora.tv/2009/08/11/Matt_Walker_Secrets_of_the_Sleeping_Brain#fullprogram

課題114A (7:37から93秒)

And so, just a sort of unpack this graph. What you have here on the vertical axis, let me see if I can get my mouse working, are all the different brain states that we spoke about, REM sleep and there was decreasing stages of non-REM. And, along the horizontal axis, we have time of night going from about midnight through until 7:30 in the morning or so.

Now I’m just going to speed this up for you, but what you can see essentially happens is that, upon falling asleep, your brain goes on this roller coaster ride in and out of these different stages of sleep.

And so, it will quickly descend down into these sorts of deep stages of non-REM sleeps, stages three and four. You will stay there for a while. And it will start to climb back up again. And, after about eighty or ninety minutes, it will pop up and have a short REM sleep period here in red, and then back down. It goes down into deep non-REM sleep and up until REM sleep. Now as I said, it goes down into non-REM and up until REM every ninety minutes.

What changes, however, is the ratio of non-REM to REM sleep within that ninety-minute cycle as you move across the night such that, in the first half of the night, the majority of those sort of ninety-minute cycles are comprised of deep non-REM sleep, stages three and four whilst, as you push through to the second half of the night, now that sort of ratio actually shifts. So, instead the brain is having much more rapid eye movement sleep, and also more of that sort of lighter form of non-dreaming sleep, what we call stage two non-REM sleep.

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課題114B (16:42から235秒or約6分)

So, what we were really interested in trying to figure out in this experiment was “Yes, the brain may need time to slowly sort of strengthen those memories. But, is it just time, or is it time awake, or is it time with sleep?” And, to sort of separate those three out, we designed two basic experiments what we call the wake-first and the sleep-first experiment.

So, in the wake-first experiment, participants come into the lab, and these are all young healthy people that we test, and they perform those twelve trials of training that I spoke about. And that’s that thick green arrow there representing those twelve trials. And then, after twelve hours across the day, we bring them back and we test them on those just two or three trials, and then, following [a] further twelve hours that contains a full eight-hour night of sleep, we test them for a second time.

Whilst, in the sleep-first experiment, we just reversed that timing. So, now they perform that training in the evening. Twelve hours later but immediately after sleep, we test them for a first time. And then, after [a] further twelve hours later that second day, we test them for a second time.

And, using just these two experiments, you can actually figure out the contribution of time, time awake, and time asleep on the evolution and sort of facilitation of this memory consolidation process.

And, to cut a long story short, here is what we find. What you are looking at here on that vertical axis is motor skill speed, the number of correctly typed sequences per thirty-second trial. Now, by the end of the training session in the morning, those in the wake-first experiment had improved significantly. Just not surprising. Practice, you are lead to believe, makes perfect.

But, if you bring them back twelve hours across the day, what you find is that there is no real further significant improvement in performance. They are not worse. They are just not significantly better.

But, if you bring them back after [a] further twelve hours that contained a night of sleep, what you see is a remarkable delayed offline memory boost of almost twenty percent in terms of performance speed. In fact, there is near thirty-percent improvement in accuracy.

Now it’s tempting to suggest that the reason for this memory boost is because of sleep, but we can’t do that for a specific reason; it could simply be that your brain just requires more than twelve hours to sort of be working on these memories. And so, it has got nothing to do with sleep and it is just getting past twelve hours. So, it’s just time that the brain is requiring.

Well, we can test that hypothesis in the sleep-first group. As you remember, they were trained in the evening and they too improve with practice. But, when we tested them just twelve hours later but once again following sleep, straight away we see that offline memory boost. Yet, when you bring them back after [a] further twelve hours later that second day, there was no further change in performance.

So, in other words, following training, your brains will continue to learn in the absence of any further practice. It’s really quite magical in some ways.

However, that delayed learning occurs exclusively across periods of sleep, and not across equivalent time periods while you are awake, in fact, regardless of whether the time awake or the time asleep comes first.

And here is the most frightening part, and I didn’t have time to include this, but the short summary is if you train subjects on day one, you deprive them of sleep the first night after learning, you don’t test them on the second day, you give them all of the recovery sleep that they want on a second night and even a third night, and then test them, they show no evidence of this memory benefit.

So, in other words, if you don’t sleep within the first twenty-four hours after learning, you lose the chance to consolidate memories. So, sleep is not like the bank in that sense; you can’t accumulate a debt and hope to pay it off at some later point in time. It’s an all-or-nothing event for this type of learning.
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2011年3月21日月曜日

Japan Quake Map

まるで花火のようだ、等と表現しては不謹慎だと怒られそうだが、日本が地震地帯だということが良く分かる。余震が数多くあるとは知っていたが、このように連発するものとは実感できなかった。Nichollsさん、ありがとうございます。この島国に住む人は、一度見ておくべきアニメーションだ。

Japan Quake Map
http://www.japanquakemap.com/
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避難範囲30km(日)と80km(米)の違い

日経2011年3月21日朝刊で編集委員の滝順一という方が、日米での避難範囲、30km(日)と80km(米)の違いの理由について、あれこれ憶測ともこじつけともつかない考察をしている。

米国の勧告は複数(3機分)の原子炉の放射性物質の総量に基づいており、日本とIAEAの基準は原子炉1基分の事故を想定しているという、到底納得できないこじつけ論を展開して、何とか数字の根拠を示そうとしている。これで「ああそういうことでしたか」、と納得する人がいるとしたら余程どうかしている。そもそも、もしこれが根拠だとすれば、結果的に想定が間違っており、実際には6機中4機の重大損傷事故になったのだから、到底この1基分の基準で現在も良いことにはならない。

このような基準は、最終的にはエイヤッと誰かが切りの良い数字に決めている部分があると、はっきり言えばいいものを。その方が余程すっきりする。エイヤッという表現が許容できなければ、「高度な総合的判断」という意味だ。

こうして決めた基準の数値を超えたか超えないかで、完全に安全を保証できる、できないというものではなく、最初から多重の曖昧さが残るものだ。そう言えばいい。

皆さんも、国のいわゆる「基準」数値をありがたく絶対視するのは止めたほうがいい。法律を含めて、運用上の都合で決まっている部分が多いはずだ。

同じ場所にいても、例えば、たまたま吸い込んだ空気に放射性の塵が含まれているかいないか、さらにその塵が肺組織に付着してしまうか吐き出されるか等、個人レベルで誰に影響が出るか出ないかは、確率の問題となる部分が大きい。風向きや人・車の域内外での交通量(の違いによって起る放射性物質の拡散の程度の違い)、その他の多くのファクターを考えての総合的な人体への害の程度予測に基づく判断の上の数値がまずあって、さらにその上に国毎の様々な理由があっての総合判断の結果である。例の「想定外」で考慮されない要素だって、多くあるだろう。

最終的な数値がエイヤッと決まっているだけでなく、元の多くのファクターが不確定なのだから、個々のファクターにも真の現在の値(未知)ではなく、エイヤッと過去の数値を使ったりしている部分があるはずだ。

こうして最終的に出て来た基準値は2−3倍はおろか、数倍あるいは1桁違ってもボクは何の不思議も無いと思う。それを、1機か複数機の原子炉を考慮した違いだ等と、トンデモ論も甚だしい。たとえそれも1つのファクターだとしても、良く平気で新聞にこんな論を載せたものだと思う。

おそらく最終的な数値の算定根拠は、推定される健康被害の程度だけにとどまるものでもないだろう。

例をあげよう。他国にいる自国民への勧告の場合には、大事をとった厳しめの基準となるのは当然だ。国民が自国の中にいてこそ、国はいろいろ国内の法律やルールに則って国民を保護することができる。これに対し、パスポートにも書いてあるように、他国のビジターとなっている時は、その国に通行の便宜と安全をお願いする形になっている。何かあった時には、外交特権でもない限り、滞在国のルールが適用される。

米国人が日本で被災した時、どういうことが起るかを考えれば、厳しめの基準となるのは当然だろう。言葉が通じない可能性、脱出できなくなった人を外交官や兵士が救出に向かう際のもろもろの障害、被爆した場合の医療費は米国が払うのか日本に請求するのか、東京電力・原発納入企業・日本政府を相手取った訴訟をどうサポートするかなど、とんでもない問題が噴出してくる可能性が高い。未然にこれらを防止しようと米国が考えるのは当然だ。

3月17日のホワイトハウス press briefingでも、これはまだ起ってはいないが、これから起こりうる事態までを考慮しての"a prudent and a precautionary measure"として出した勧告だと強調していた。
"Q (reporter):    For Mr. Jaczko, the statement that the NRC put out yesterday saying that the protective action recommendations are implemented when projected doses could exceed one rem to the body or five rems to the thyroid.  How likely is it in this current situation that those doses would exceed one rem to the body and five rems to the thyroid?"

"CHAIRMAN JACZKO:  Well, again, the recommendation was based on the possibility of certain scenarios happening that just haven’t happened yet.  So we thought given the situation we were seeing, that there was a possibility of the situation becoming worse.  And as a result, we thought it was a prudent measure to take the recommendations that we provided."
(最初の下線の意味が気になる。)

逆に、日本の基準も健康被害以外の要素を考慮する必要があると国としては考えるだろうし、実際されているのだろう。基準を厳しくしすぎると、「難民」の数(国内、国外ともに)を増やすことになる。多くの人には行く場所の当ても無い。国外に逃げる難民を作るようなことは、できる限り避ける必要がある。数値の設定には、そうしたファクターもおそらく入っているのだろう。そのように説明されれば、違いがあっても不思議はない。それでいいのかどうかは、別問題だ。その説明で30km避難範囲の外に住む方々が納得されるとは当然思わない。

全ての情報を開示して、標準の推奨する行動を数字が必要なら示し、最後は自分の気分/気持ち/覚悟に基づいて判断して下さい、とするしかないのではないだろうか。自分一人の時と、胎児や幼児も含めた家族がいる場合は、個人にとっての基準が10倍違っても不思議ではない。国レベルでもスケールは違っても同じことだ。また、交通規制/立ち入り禁止区域の設定など、最後の線は便宜上どうしても必要なのは当然だ。

もし私であれば、家族に妊婦、子供がいる場合は、日本の基準も米国の基準も考慮して、できるだけ大事をとった基準で判断し行動する。

そのようにするのが、責任ある落ち着いた行動ではないのか。30kmとか80kmとかの最終数字だけでなく、判断のために必要な情報を開示する義務が国にはある。個々の情報について、これは公表していいのかすべきでないのか等という判断は、できるかぎりすべきでない。そんなことをやろうとしているから、機能不全になっているのではないか?Defaultで全て公開とすべきもののはずだ。各地での放射線量のグラフ等はリアルタイムでWeb閲覧が当然のことだ。
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2011年3月20日日曜日

なぜグローバルホークの映像を公開しないのか?

何を隠そうとしているのか?

この状況下で、国民に落ち着いた行動を求めるなら、核心のことが何もわからない無難な選択された映像だけでなく、全ての生情報を公開する義務があるはずだ。国内向けの発表だけを考えていれば済むことでは無い。国内だけでなく、諸外国にこれだけ迷惑をかけてしまった者として、隠し立てしている場合か?

当然米国からは、各国政府にグローバルホークの映像は既に渡っているはずだ。米国あるいは他の国の政府が日本に滞在している自国民への情報提供の一環として、最初に公開してしまう可能性もある。米国が撮影した画像であり、別に米国が公表するのは自由だ。礼儀あるいは思いやりとして、日本政府に最初に公表する機会を与えてくれているに過ぎない。壊れた発電所に肖像権があるわけではない。

たとえ何が真実であっても、覚悟はできているつもりだ。

福島第1原発の第1号機と第3号機が「水素爆発」した際に、立ち上る噴煙の高さと色の違いに関して、考え得る全ての可能性についての仮説の説明や議論をメディアで見た記憶がない。メディアは何をやっているのだ。

私の仮説は「第3号機の使用済み核燃料は爆発により既にかなりの量が飛散している」というものだ。これはあくまでも仮説だが、万一プルトニウムを含む第3号機のMOX燃料が大量に飛散してしまっているとしたら、非常に非常に深刻な問題だ。

原発事故に関して、万一のことを話題にするのは一部の方にはタブーなのかも知れない。しかし、これは行方不明の方が既に亡くなっているかも知れないという話しではない。第3号機建屋内で作業をしていた方の遺体があるという可能性も聞いていない。物の状態に関する事実の話しだ。私は最悪の場合も含めて、全ての可能性を知らされる権利を持っていると信じているし、そうしないのは国民をバカにした行為だと思う。

どなたかこの仮説を否定できるものならして欲しい。原子炉の専門家の方々は分かっているのではないか?否定されることを心から願っている。しかし、グローバルホークの映像が破壊された使用済み燃料プールの惨状を示しているのなら、絶対これ以上隠しておくべきではない。否定できるのなら、隠し立てする必要は全く無いはずだ。いずれにしても、全世界がこれだけ注視しているのだから、隠しておけるはずがない。

少なくとも現場で自分の命を顧みず、放水をしている方々、戦車でガレキの排除を行おうとする自衛隊の方々には、グローバルホークの映像だけでなく、核心のデータは全て見せてあるのでしょうね。

そういえば、既に放射能の連続計測は動いているはずだが、リアルタイムでWebから閲覧できるグラフはどうなった?

毎日新聞 2011年3月19日 東京朝刊
米軍無人機の映像、日本政府が公開に慎重
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110319ddm012040016000c.html
「日本政府が、米空軍無人偵察機「グローバルホーク」が撮影した福島第1原発上空の映像の提供を受けながら、公開に慎重姿勢を見せていることが関係者の証言で分かった。米軍側は「あくまで日本側の判断」とし、提供した映像の公開を承認している。」
...
「だが日本側は、映像を保有したまま公開していない。」

US military fly an unmanned plane "Global Hawk" over Fukushima No.1 nuclear plant
http://www.youtube.com/watch?v=y4Dunh4i0H8
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2011年3月18日金曜日

米国エネルギー省NNSAが放射能計測

追記 (2011-04-19):
NNSA-AMSによる福島県住民の最新被曝予測(3月16日から1年間)
http://www.ohzawa.net/2011/04/nnsa-ams.html

--- Original Blog Post ---
日本では報道されているかどうか不明だが、米国はエネルギー省のNNSAのAerial Measuring System (AMS)により、日本政府の同意のもとに、詳細な放射能データの計測をおこなったと下記でNew York Timesが報道している。

Radiation Spread Seen; Frantic Repairs Go On (New York Times)
http://www.nytimes.com/2011/03/18/world/asia/18intel.html?_r=2&hp

記事の最重要点は以下だと思う:
"Mr. Poneman (Daniel B. Poneman, the deputy secretary of energy) said preliminary results of the initial flights “are consistent with the recommendations that came down from the chairman of the Nuclear Regulatory Commission,” which led to the 50-mile evacuation guideline given to American expatriates."

それから、
"Getting the Japanese to accept the American detection equipment was a delicate diplomatic maneuver, which some Japanese officials originally resisted. But as it became clear that conditions at the plant were spinning out of control, and with Japanese officials admitting they had little hard evidence about whether there was water in the cooling pools or breaches in the reactor containment structures, they began to accept more help."
官邸は断らなかったそうですが、この期に及んでも有益なデータ計測に、誰かが抵抗していたのでしょうね。空からの計測で作業の邪魔になるわけでもないのに。

See Also:
EnergyBlog: The Situation in Japan (Energy.gov)
http://energy.gov/situation-japan-updated-051311
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2011年3月17日木曜日

産業用無人ヘリコプターをなぜ使わない?

米軍のdrone等を頼まなくても、高性能カメラを積んだ国産の産業用無人ヘリコプター(ラジコンヘリ)がある。オモチャではなくて3m程度あり、十分偵察や検査のために使えるものだ。空中で静止できる分、drone等より検査には適している。

これで屋根が吹き飛んだ1号、3号原子炉を覗き込めば、使用済み燃料プールにどれほど水があるのか、あるいは燃料は既に吹き飛んでいるのか、水蒸気の発生源はどこなのか、格納容器の破損個所はどこか(これは見えないだろうが)等、本当の被害状況が詳細にわかると思うのだが、なぜ使わないのだろう?

人が乗っていないのだから、接近して時間をかけて観察できる。つり下げたカメラを建屋内部に降ろして撮影することも可能だろう。

もっと遠距離まで電波が届くリモコンが付いたバージョンも、防衛省やその他いろんな所が持っているはずだ。おそらく東京電力だって、送電線の検査等のために持っているのではないか?万一無いというのであれば、すぐにでもヤマハが喜んで提供してくれるはずだ。ラジコンヘリによる農薬散布に熟練した農家の方(下記のリンクの最後の2つ)に操縦していただければ、間違いは無いだろう。

普段であれば、こんな物に原発の上を飛んでもらっては困るが、今となっては使わない理由はないはずだ。

記者会見やスタジオであれこれ憶測をいわなくても、これを飛ばせば直ぐにわかることが多いはずだ。

残念ながら、30kgくらいしか積めないようだ。もう少し大きめの1トンくらい積める機種が開発されていたならと、最後の農薬散布のビデオを見ると悔やまれる。エンジニアが集まってやれば短期間で開発できそうだが、今回の危機には間に合わないだろう。しかし、Chernobylと同様の砂やコンクリートを流し込む後始末を行うことが必要になる可能性が高い。人を危険にさらさずに行うためには、大きなラジコンヘリが必要なのでは?まだ開発が始まっていないのであれば、すぐにでも着手すべきだと思う。








ヤマハ産業用無人ヘリコプターRMAX
http://www.yamaha-motor.jp/sky/solution/
http://www.youtube.com/watch?v=XD7ZPOW_qcM
http://www.youtube.com/watch?v=TKxbUV-_3M4
http://www.youtube.com/watch?v=FXacyBVgIwQ

2011-05-05追記
(株)エアフォートサービス
http://www.yamazaki-k.co.jp/airphoto/
福島第一原発の小型無人飛行機による高解像度画像
http://cryptome.org/eyeball/daiichi-npp/daiichi-photos.htm

2011-03-22追記
RAMやCPU内のレジスタ等、電子回路がどの程度誤動作するのか、当然わからない。誤動作や誤操縦で墜落することは想定して、上を書いたつもりだ。多少の応急rad-hardeningはできそうに思う。10機くらい用意して、10分程度持ってくれれば、使い捨てで構わないだろう。建屋の鉄骨やコンクリート片が落ち込んでいる破壊された建物内に、大人二人で持てるラジコンヘリが追加で墜落するリスクは考慮の上とした話しだ。
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2011年3月16日水曜日

なぜグラフを出さない?

NHKの解説から、東京電力、保安院の記者会見まで、とても見ていられない。必要最小限にも達しない情報しか公表せず、国会答弁のごとく肝心の大事なことは何もわからない。外国から、落ち着いて秩序正しく行動していると賞賛される国民を、これらの機関やメディアは信用できないのか?バカにしている。

これだけ放射能の計測結果の数値が出て来る場で、なぜグラフ化したデータを出さない?1枚もグラフを見た記憶がない。しかし、そのデータが無いはずはない。グラフだけですっきり分かるものでは無いことは十分承知しているが、象徴的だ。

たとえば、高浜原子力発電所の環境影響監視のためのシステムを京都府が運用している。理解してもらおうと思うのなら、ここにあるようなグラフを色々な「事象」を矢印で入れて見せるのが、当然だ(降雨の表示があるように)。その当然の資料が会見で出ないということは、国民にはデータは出来るだけ出さない、という意図があると解釈するしか無い。

京都府環境放射線監視テレメータシステム(ARIS)
http://www.pref.kyoto.jp/taiki/atomtop.html
http://www.aris.pref.kyoto.jp/map_7.html
http://www.aris.pref.kyoto.jp/map_6.html

福島県にも、「福島第一原子力発電所周辺の環境放射線」
http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/dynamic/C0002-PC.html
があるが、2011年03月12日 12時以降の値が表示されていない。停電で計測機器が止まっているのか、データが来ないのか?

いずれにしても、計測はしているはずであり、どんなに忙しいとしても、データからグラフまでExcel等で数分あればできることではないか。

あまりにも、国民をバカにした話しだと思う。ボクだけでなく、飛騨の山奥に住むボクの80歳になる母親は女学校が最終学歴だが、彼女も記者会見のあまりの内容の無さと隠蔽体質にテレビに向かって怒っているらしい。ARISのグラフの意味だって理解できる。

国や電力会社には頼らず、WeatherNewsかGoogleに放射能計測機能を組み込んだ気象観測podを一般配布してもらうことしか、解決法は無いかもしれない。気温から花粉飛散量まで測っているのだから、一つ計測量を追加するだけだ。プロ用計測機器の精度保証を求めなければ、放射線センサーが高価すぎて作れないということは無いだろう。一般家庭の軒先やベランダだけでなく、原発周辺の山林の所有者に、太陽電池電源と無線データ伝送による自立したpodを置かせてもらえば良い。
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2011年3月13日日曜日

浜岡原発と津波

今回の地震で大切な方をなくされた方や被害を受けられた方のことを思うと、言葉もありません。皆様の無事と一日も早い復旧を祈ります。

福島原発1,2のECCS (emergency core cooling system)用のディーゼル発電機やポンプがほぼ全滅だということは、施設全体、特にこれらの緊急システムが津波で海水をかぶるようなことは想定していなかったのではないでしょうか。ちょっと信じ難いですが。ということは、おそらく同じ脆弱性が日本各地の全ての原発にあるのでは?

特に首都圏の西に位置する、浜岡原発の責任者の方は、お願いですから今のうちに、ディーゼル発電機のテストとか電源車の確保だけでなく、20-30mくらいの津波が来ても、これらが機能するようにしてください。津波に関しては、まったく無防備に見えます(浜岡原発GoogleEarth KMZ)。浜岡が同じことになったら、本当に日本には住めなくなります。もちろん、他の原発もですが、個人的には特に敦賀と大阪の西にある原発がとても気になります。

2011年3月11日金曜日

English Dictation課題 #114: Matt Walker: Secrets of the Sleeping Brain

新しいEnglish Dictation課題 #114です。

Matt Walker: Secrets of the Sleeping Brain (FORA.tv)
http://fora.tv/2009/08/11/Matt_Walker_Secrets_of_the_Sleeping_Brain#fullprogram

課題114A (7:37から93秒)
"And so, just to sort of unpack this graph, what you have here ..."で始まり、"... Stage-2 Non-REM sleep."で終わる。

課題114B (16:42から235秒or約6分)
"So, what we were really interested in trying to figure out in this experiment ..."で始まり、"It's an all-or-nothing event for this sort of learning."で終わる。

記憶と睡眠の研究をしているUC バークレーの教授のトークです。British accentで聞きにくいという人もあるかもしれませんが、慣れて下さい。この人の話しの仕方、とくに専門家でなくて一般の人からなる聴衆に向けての話方がわかると思います。聴衆が専門家でも事前知識のレベルはいろいろなので、同じです。何をどのように表現するかについて、見習うべきところが多くあると思います。ちょっと長いですが、内容も聴衆からの質問も全部良い。

一生懸命何かを学習して覚えても、24時間以内にちゃんと寝ないと、記憶として定着しないという実験の結果を説明しています。そういうことは、中高生の頃から人生の前半で言って欲しかったな。ボクには手遅れですが、皆さんはうまくやって下さい。オッと、もう寝ないと。

Matt Walker Lab:
http://walkerlab.berkeley.edu/
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English Dictation課題 #113: Sample Result -- Susan McConnell

English Dictation課題 #113(2011年3月2日水曜日出題)の解答例です。

課題 #113A解答例
Susan McConnell: Designing effective scientific presentations
http://www.ibioseminars.org/lectures/bio-techniques/susan-mcconnell.html
最初から2分間
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You are probably tuning into this talk, because you are interested in improving your speaking skills.

And you know, let's face it. None of us really have had a lot of explicit training in presentation as scientists. So, okay we are not experts. We may not be experts at public speaking, but I would actually suggest to you that we are all experts at listening to talks.

Think about the number of hours that each of us has sat in a chair, in a lecture room, in a seminar, in an auditorium, listening to journal clubs to all kinds of talks. We've spent hours and hours and hours listening to talks. So we are experts at knowing what a good talk is because we know what we want delivered as an audience member.

So if you think about it, why do we go to a talk?

Well, we are interested obviously, in learning some… about interesting and novel science. We are going to listen to speakers who we think are credible and knowledgeable and doing novel work. We are responsive to speakers who are enthusiastic and who just keep us awake. And we want a talk that is well organized, clear, a talk we can follow, a talk that's not laden down with jargon, and a talk that gives us enough background to understand what's going on. We want to be able to see the data, understand it, interpret it and then make our own decision about the science.

So we are all experts at listening to talks.  Why can't we just translate what we know we want as an audience member into how we give a talk as individuals?

Let's think about something. How many times have we each seen a slide like this? We've seen it a zillion times, right? We are sitting there in a chair listening to a seminar. A slide like this comes on and we have no idea of what to look at.

Are we supposed to read all of this text? Are we supposed to look at this figure or that figure or that figure? We are overwhelmed visually and we've all seen this slide a thousand times.
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楽器の再発明2

iPadのGarageBandのようなAppが楽器の再発明の始まり、に関して、そんな大げさなと思う人はAppleのデモビデオを見て欲しい。タッチパネルと加速度センサーをフルに使ったvirtual楽器の表現力は結構ありそうなので、プロの使う物ではなくてオモチャだ、とはもう言えなくなって来るのではないだろうか。
http://www.apple.com/jp/ipad/guided-tours/#video-garageband

GarageBandが走っている間は、iPad自体が楽器になるという点で、他のAppとは違って、MacやPCにはできない使い方だと言える。8トラックのレコーダーでもあるので、1個の楽器以上にもなる。Pat MethenyのOrchestrionのディジタル版のようなことも出来そう。

Pat Metheny - The Orchestrion EPK
http://www.youtube.com/user/PatMethenyMedia#p/u/8/9VymAn8QJNQ

8トラックの限界も、複数のiPadをWiFiかBluetoothで同期して使えば超えられるだろう。誰が楽器はiPadだけというライブを最初にやるのか予想もできないけれど、面白そう。
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2011年3月6日日曜日

DroidDream: こうなることは分かっていたのに、利用者の自己責任だそうです

始まった。何がって、Android携帯ウイルスの蔓延が。Androidのウイルス対策は、今からやっても、もう手遅れ(*1)だと思う。

「利用者は注意を」と言われたって、PCユーザーが出来なかったことを、携帯ユーザーができるだろうか?被害の深刻さはPCの比ではない。個人情報が特に入っていないPCはたくさんあっても、それが入っていない携帯はあり得ないだろう。おサイフケータイには、お金が入っているし、常時ONのケータイは時々刻々の持主の居場所まで分かっている。ボクのような素人でさえこうなることは予測できたのに、GoogleとこんなAndroidを組み込んだ製品を売り出したメーカーは切腹ものだ。想定外でした、という言い訳はWindowsについては認められても、今回はもう絶対できない。せっかくmobile用に新しくOS作ったのだから、もっと根本的対策を施すチャンスだったのに。

Android Marketでトロイの木馬「DroidDream」が猛威、感染アプリは50以上に
http://journal.mycom.co.jp/news/2011/03/04/043/index.html

Androidアプリでマルウェア事例報告が相次ぐ - 利用者は注意を
http://journal.mycom.co.jp/articles/2011/03/02/android/index.html

またウイルス蔓延の繰り返し:いつか来た道
http://www.ohzawa.net/2011/02/blog-post.html
http://www.ohzawa.net/2010/07/iphone-4-is-best-computer-ever.html

*1: アンチウイルスソフトを携帯にも入れれば良い、という後手後手の対策で満足して安心していられる人には、手遅れではないかもしれないが。しかし、それは甘いと思う。GoogleはAndroid携帯/tabletに一斉に指令を送って、Appを遠隔削除できるそうだが、それで解決できると思うのは甘い。Root権限を取得されることの意味を理解していない。App自体は削除できても、Appの外に仕込んだ部分は残ってしまう。次に放流されるmalwareは、おそらく感染後root権限を取り何かを仕込んだ後、何ヶ月かはジッと感染ができるだけ多数の携帯に広がる迄待ってGoogleの削除を回避し、それから実際の攻撃を開始するようなタイプになるだろう。

Android Marketの最大の問題点はAppの審査があるかどうかという点ではなく、Appを登録できる開発者の身元確認がどれほど有効かにある思う。iPhone Appの開発者はクレジットカードの情報をAppleに取られている点が、最大の抑止力を発揮している。
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2011年3月5日土曜日

楽器の再発明

昨日のポストで、iPadのGarageBandのようなAppが楽器の再発明の始まりだと書いたけれど、そういえば去年のこれを思い出した。

Atomic Tomというバンドがニューヨーク市内をはしる電車の車内でiPhone数台だけを使って1曲演奏してしまったというビデオ。

"Take Me Out" by Atomic Tom LIVE on NYC subway
http://www.youtube.com/watch?v=NAllFWSl998

さすがNYCと、アメリカ。ボクも遭遇してみたいものだ。こういうのが許容されるところに住みたいと思う。日本じゃ無理か。車掌さんがなぜ止めなかったとか言われて、窮地に立たされちゃったりして。iPadでやれば、もっと良くできそう。
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2011年3月4日金曜日

iPad 2 - iPhone-iPad-PCへの進化

Steve JobsのiPad 2 の発表Keynoteを見た。

Front+Back camerasはもちろんいいけれど、今回のアップデートで一番うれしいのはiPadの画面をそのままプロジェクターにミラリングで出力できること。これで、iPadを使えることの範囲がグッと増える。

後半のアプリケーションのデモで、iPhone-iPadと来た発展が今後どうなって行くか、だいぶ見えて来たのではないだろうか。AppleはiPhoneとiPadのOSを作るために、MacOS Xから一度最小化したOSをiOSとして作った。これからは、iOSに新たにPCとして機能を付け加えて、ノートからデスクトップPCまでを作るのだろう。

これまでの、Pages, Keynote, Numbersに加えて、iMovie, GarageBandと、どんどんPCレベルをある面では超えるようなアプリケーションが出て来た。これらを、画面を普通に垂直にもでき、机の上に上向きにもできるような新型iMacに載せた製品がいつ出ても、まったく不思議ではない。大型のタッチパネルと画面の回転機構ができれば、既にXCode開発環境にあるシミュレータ内でiPadのアプリケーションが走っているのだから、すぐにでも同じようにiPad用のGarageBand等をMac上でそのまま使えそうに思える。それも、これまでのMacOS Xのアプリケーションと当分は共存しながら。まあでも、ARMベースのCPUだけでなく、直ぐにIntel CPU用にもバイナリを作れるのだから、シミュレータは必要無いか。

iPhoneが携帯の再発明というか、携帯の形をしたPCの再発明であったように、GarageBandのsmart instruments、これは楽器の再発明ということになる。30年以上前に少しは触ったギターのコード等はもう忘れて久しいが、GarageBandのsmart guitarって、またちょっと触ってみたいと思わせる。ピアノの様なキーボードもキーの縦方向を別のコントロールとして使ったり、面白い。ヤマハはそんなことやっているだろうか?もしかして、本物の楽器へのこだわりが、かえって邪魔をしていたのではないかと思ったりした。他のPC/携帯/タブレットのメーカはどうするんだろう。
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2011年3月3日木曜日

悲しい英語教育 1

大学入試問題を試験中にネットの質問サイトに投稿し、解答を求めた不正行為が問題になっている。もちろん、多くの教員と同様に入試業務にほぼ毎年かり出される一員として、由々しき問題だと思っている。

しかし、実は不正の事実以上に驚いた、悲しいことがある。何やってるんだと。

早稲田大の英語入試に関して、英語の文章を英語で要約する問題の解答を求める質問が、質問サイトに投稿されたという。受験生は(おそらく)自力で日本語の要約を作って投稿し、英訳を求めたそうな。なんで日本語が入る?それが驚き。皆さん何とも思いませんか?こういう入試問題はとてもいいと思う。しかし、出題者はがっくりだろう。

受験生はおそらく、何も疑問を持たずにそうしたのだろう。比較するのはナンだけれど、そうした不正が起ったこと自体より、だれかに聞くんだったらそうするのが当たり前と思った受験生を作り出した日本の英語教育の方を、ボクは悲しく思う。たとえ、全部自力でやったとしても、そんなのは英語ができるとは言わない。おそらく、この受験生は例外では無い。むしろそっちの方が、ホントに何やってるんだ、だと思う。
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2011年3月2日水曜日

English Dictation課題 #113: Susan McConnell: Designing effective scientific presentations

新しいEnglish Dictation課題 #113です。研究室のKSS氏が採集して来たビデオです。プレゼンテーションのやり方に関するアドバイスがたくさん詰まっています。

Susan McConnell: Designing effective scientific presentations
http://www.ibioseminars.org/lectures/bio-techniques/susan-mcconnell.html

最初から2分間のdictationをやってみて下さい。".. we've all seen this slide a thousand times." までです。
このiBioSeminarは全部で42分ですが、全部通して聞いて、内容を頭に叩き込んで、次回の研究室セミナー、卒論、修論発表、学会発表に生かすとよいと思います。論文を書く必要があることは当然ですが、トークもできなければダメです。これからは特に。自戒を込めて言っています。

iBioMagazineにこれのモチベーション版のトークもあります。こちらもいいです。

Susan McConnell: The Importance of Giving a Good Talk
http://www.ibiomagazine.org/index.php/issues/december-2010-issue/susan-mcconnell

Jobトークを控えた方、学会のトークも実は広義のJobトークなのですが、iBioMagazineの中に出てくる、彼女のこの言葉を良く覚えておくと良いでしょう:

"I have been a member of a lot of search committees, and I can tell you that some jobs are lost in the first two minutes of a job talk, at which point it becomes clear that despite the fact that this person has done extraordinary beautiful research, that he or she doesn't have communication skills..."

かつて米国で、おそらく2分でこれはダメだと思われたjobトークをやった自分自身の痛い経験から、これは実感します。
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2011年3月1日火曜日

English Dictation課題 #112: Sample result -- Siri & IBM Watson

English Dictation課題 #112(2011年2月22日火曜日出題)
http://www.ohzawa.net/2011/02/english-dictation-112.html
の解答例です。

課題 #112A
Siri - The Personal Assistant on your Phone
http://www.youtube.com/watch?v=MpjpVAB06O4
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Hi. This is a quick demonstration of Siri, the personal assistant on your phone.

Siri helps you get things done when you are on the go. Using Siri couldn’t be easier. Just press the green button, and say what you want.

I'd like a romantic place for Italian food near my office.

Siri sends my words up to be interpreted as text, waits for my confirmation, and then gets to work for me.

It looks at multiple sources of information to find a solution to my problem. In this case, it found several Italian restaurants. It looked at the reviews from several sources. This one seems to be well reviewed, says it’s a great romantic place.

I can show it on the map, and I can send it to my friend via e-mail, who(m) I will meet there.

If you already know the place you want, you can ask Siri to get your reservation directly.

I'd like a table for two at Il Fornaio in San Jose tomorrow night at 7:30.

Siri contacts reservation services, in this case, OpenTable, to see what’a available at your stated request. Looks like there is a table available at 7:30. And with one click we can confirm our table reservation.

Let’s say we want to plan to go to a movie after. I’ve heard Avatar is great in 3-D in IMAX. Let’s see if we can find a theater showing it that way.

Where can I see Avatar in 3-D IMAX?

Siri checks within the context of my dinner planning in San Jose. It looks for IMAX theaters that are playing Avatar nearby, and it shows the times of all the theaters here. You can see the trailer. You can read about the plot. You can see the theaters on the map. And you can get tickets directly inside Siri. Let’s pick a 9:45 show.

You can also ask open-ended questions and have Siri guides you to discover new things. I’m thinking about what to do this weekend. Let’s ask Siri for some ideas.

What’s happening this weekend around here?

Siri knows where I am because of the phone, in this case, Cupertino. So, it checks for events around Cupertino scheduled for this weekend. I see if there are concerts and live music and some theater.

You interact with Siri in a dialogue. For example, you can change your requests in normal English as you would with a human assistant. Let’s ask Siri to check a different location for things to do.

How about San Francisco?

Siri understands that the context, the conversation about events carries over to San Francisco. Now it’s looking in San Francisco for events. We see there's a lot of theaters up there. Ah! So, Wicked is still showing.

Let me see if I can get some tickets.

After a big night on the town, I might need some help getting home.

Take me drunk. I’m home.

Siri does its best to interpret my words even if they’re not perfect. In this case, the right thing to do is to call me a cab.


課題 #112B
IBM Watson: The Face of Watson
http://www.youtube.com/watch?v=WIKM732oEek
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Hello. My name is Watson. 

When I heard about this project, I thought I don’t know whether they are planning on making it talk or having a visual readout of the answer. But I thought it’s the perfect use for text-to-speech. 

Who is Robert Browning? 

Text-to-speech is particularly good in short phrases. And Jeopardy answers are indeed short phrases. 

We audition voice actors, dozens of them. The lucky winner gets to be in a recording booth for literally weeks, reading thousands and thousands of lines of texts we give them. 

Each one of these symbols is a representation of a particular sound of the English language. And what you see here is a way of encoding the pronunciation. 

"[0a1ros] [kcn] [1po0yo]" 

In many occasions, I called an embassy or a restaurant to ask them how to pronounce a certain dish or how a certain city in their country is pronounced. And people have told me, "How many of those will actually appear in Jeopardy?" Who knows? Maybe none. Maybe one, but it will have been worth it if even one makes it. 

It’s a voice that sounds very self-assured, but just like any synthetic system it makes mistakes. Watson, I guess, could be described as performing at a level of a very precocious child. 

Conrad and his fans were back on Broadway in 2009 in a revival of this musical. Watson? 

What is Bye Bye Birdie? 

Yes, that’s correct. 

Television audiences, they don’t want just some disembodied voice coming out of the television. For the visual composition of the screen, you know, you don’t want to have person, person and then void. 

I was one of a few artists that they were considering for the project. As a designer and technologist, I want to feel challenged by the project that’s been handed to me. And, Boy, does Watson bring some challenges. 

How do we make a machine that’s going to be on television, that’s going to play Jeopardy? How do we make it pretty? 

Lots of thinking went into this? Should it be humanoid? Should it be abstract? In the end what really made a lot of sense was to just be really clear that this is an IBM creation, and what better than a smaller planet will go for communicating that. 

I had this idea that if I had a sphere, I could start to put in place variables, and boundaries, and controls to define that sphere. One of the first builds was something like this, just this swarming along the sphere. There is a leader running across the surface. There are forty followers that are tying to chase that leader. 

I can tell Watson, “You have a high level of confidence. You got it right.” Maybe it swarms to the top. Or “Oh, bummer. You got it wrong.” 

There are twenty seven triggerable states. We have: answered, answering, answer correct, answer revealed, answer wrong, buzzer enabled, buzzer time out, category selected, clue of your daily double.

I wish he take his eyes off of me, because I’m feeling very self-conscious. 

(laughs) 

We map four different colors to four different levels of confidence. So, green would indicate that Watson has a very high confidence level for this particular category that he probably knows the answer.

Watson. What is finger? No, that is wrong. 

But he is ringing in green because he had a high confidence. He should have gotten that right. he is saying, “I knew this!” 

Collectively we’ll think about this is the kind of the front-end of Watson, Joshes’ avatar computer, Watson, the controller that basically translates the QA stuff in the back to the actual game playing stuff that you observe. 

This computer here is controlling connections between the various parts that make up Watson. This is directing with the DeepQA engine that’s answering the questions. It’s generating Watson’s voice, and it is producing things like this, the answer panel. 

When Watson does its computation, it comes up with a lot of possible answers to this question. And the answer panel shows what Watson is thinking about its answers. 

This is important because, during the game, you have to make a decision. For every question, you have to decide not only what is the best answer but am I confident enough in this to actually take a shot and buzz in an answer. 

Watson looks over these hundreds of answers to consider, and it ranks them according to how confident it was in each answer. The confidence bar -- it’s basically a probability that Watson thinks it’s correct. 

Another thing that we are showing on the answer panel is the threshold, how confident we have to be to buzz in. As these scores change, we might realize that we have to buzz in. This is the only way we have a shot to win. So, this threshold go down. 

In other cases, we want to be very far ahead. So, we know we want to be careful here. We don’t want to give up our lead. So, the threshold will go up and it will only go for those questions we are most sure. 

Let’s finish Sci-Fi TV. 

Sci-Fi TV for four hundred. 

Picard was put to the test by Q in this show’s finale; we also learned Jean-Luc wed and divorced Dr. Crusher. Watson? 

What is Star Trek: The Next Generation? 

Nicely done. 

I feel like we are pioneering a whole genre of art that previously wasn’t possible. I’m rooting for this thing that we’ve created to win. It’s this overwhelming feeling of being a part of something historic. 
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余談

個々の要素技術をとって見れば、まったく新しいというものはWatsonには入っていないかもしれないけれど、全てを組み合わせて人間に勝て、外から見てintelligentにしか見えないシステムができたというところがスゴイ。Turing Test合格、ということですよね。昔はちょっとバカにされていたAIも、これでその将来をまじめに考えないと。SuperComputerの単なるスピード競争にはもうあまり心を動かされることは無いけれど、これからどうなるのか期待すると同時に、少し心配。ボク自身、カーナビが無いと、ちょっとしたお出かけも不安になりつつある。AIのアシスタントが無いと何もできなくなる人が最近増えています、なんてことをまじめに心配する必要があるかも知れない。

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More on IBM Watson 

Building Watson - A Brief Overview of the DeepQA Project
Excellent presentation by David Ferrucci:

IBM's Watson: PBS Documentary Part 1

IBM's Watson: PBS Documentary Part 2

IBM's Watson: PBS Documentary Part 3

IBM's Watson: PBS Documentary Part 4

Obviously, some significant part of Watson (perhaps, the "Machine Learning" part) must have been written in Java. 

It is also good to know that, not just the artists but the researchers can use Macs at IBM. 

Also, the face of Watson, the display of a globe with orbiting traces, appears awfully like something that is done by Quartz Composer that comes with all Macs.  I don't know what was actually used, but it really look suspicious.

未来派図画工作 Quartz Composer Book: 

"/Developer/Applications/Quartz Composer.app"  (After installing XCode package)

Introduction to Quartz Composer User Guide

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