2011年8月28日日曜日

宮城県知事殿:消費者をバカにしないで欲しい

宮城県知事臨時記者会見(平成23年8月22日)
http://www.pref.miyagi.jp/kohou/kaiken/h23/k230822.htm
◆Q
検査証明書の表記には検出値も表記するのか、あるいは食品衛生法の基準を下回っていると、安全であるというざっくりとした表記になるのか。どのようになるのか。
■村井知事
「安全であるということだけでよろしいかと思っております。健康上全く問題のない数値であるわけですので、詳細な数値を出したところで消費者の皆さんは理解ができないわけでありますから、安全か安全でないかということだけはっきりと証明すれば十分だというふうに思っております。正式には、牛肉の放射性物質検査結果通知書といったような形で添付をしたいと考えております。(1キログラムあたり)500ベクレル以下であるということであります。その証明書がついていれば(1キログラムあたり)500ベクレル以下で、どれだけ食べても全く問題がないということであります。」

あまりにも、消費者をバカにした話しだ。数値が分かっているのに敢えて表示から外す事は許されない。このような態度だから信用されない。この5ヶ月半で日本の消費者は、25°Cとか30°C等の気温の様に、Bq/kgの数値を直感的に理解できるようになった。カロリーが分かるのに、これが理解できないわけがない。

消費者としては、暫定基準値以下かどうかの表示だけで良しとせず、実際のベクレル数値の無いものは購入を拒否すべきだ。基準値以下でも400と40とでは、同等ではないのは当たり前だ。特に、これでは子供に食べさせる物を注意して管理する事もできない。同等ではない物を、情報を隠して無理やり同等に扱おうとすれば、破綻する。それは「風評被害」ではない。

非検出(ND)に関しては、きちんと但し書きでNDとなる検出閾値は何ベクレルなのかを表示しておくべきだ。基準値以下ではあっても、全ての食品に2011年3月以前の量の数十倍の放射能が入っていることを前提にして、対応する必要がある。表示を義務化し、分かり易い、全国統一フォーマットの放射能値表示ラベルを作るべきだろう。更に、精密測定による、各農水産物毎の昨年までのtypicalなベクレル値、あるいは実質的に非汚染地域の同等品の値をどこかにまとめておくべきだ。

小出さんが言うように、かなり年がいった大人として少しは食べるつもりだが、いったいどれだけ食べているのか、知る権利はあるはずだ。また、上記のQでも、回答でも、「安全」という言葉は使われるべきではない。消費者も、「安全」という言葉を要求してはならないと思う。

HPと原子時計とセシウム

HPは最近、PCビジネスの売却を検討したり、WebOS製品をボツにしたり、あまり良い状況ではないようだが、HPのもう一つの分身である、Agilent Technologyという会社をご存知だろうか?おそらく、Nerdに分類される方しか、知らないだろう。(Proud to be a nerd.)

Losing the HP Way (Robert Cringely)
http://www.cringely.com/2011/08/losing-the-hp-way/

"The decline of HP began, I think, with the spinoff of Agilent Technologies in 1999. Lew Platt was running HP and he thought the company was too diversified and really needed to concentrate on computers, storage, and imaging. So everything else was spun-off into Agilent. And while this made sense at the time and even today, there were unintended consequences of that spinoff — the loss of HP’s corporate soul. You see Hewlett Packard was in 1999 an instrument company that made a hell of a lot of money from printers, not a printer company that also built instruments.  Hewlett and Packard were instrument guys: had they still been on the job in 1999 they would have gone with Agilent. If Packard was still alive in 1999 I doubt that the spinoff would even have happened."

Cringelyと全く同感。HPがAgilent Technologyをスピンオフした時は、ボクは非常にがっかりしたことを覚えている。

ボクにとっては、HPというのは計測器、instrumentationの会社だった。途中でキャノンのレーザープリンターの機構を積んだプリンターが、普通の人にはよく知られるようになったけれど、売り上げとかには関わらず、それは二次的な製品だと思っていた。HPがPCの会社になる、さらに前の話しだ。だから、Agilent Technologyがスピンオフされた時、HPの魂というかDNAはHP本体ではなく、Agilentに移ったと思った。

Steve JobsもHPには思い入れがあるようだ。直接は言っていないが、おそらく同じように思っているのではないかと、勝手に想像する。彼が少年だった頃、電子工作で周波数カウンタという装置を作ろうとしていたのだが、それに使う部品をもらえないかとお願いするためにHewlettの自宅に電話した(その頃は誰もが電話帳に本名で載っていた)。すると、Hewlett本人が電話に出て、快く必要な部品をくれたばかりか、その夏にはHPのまさに周波数カウンタ製造部門でsummer jobをやらないかと、誘ってくれたそうだ。天にも上る気持ちだったと。UFOが着陸したような外観のApple本社の新社屋を建てるために説明に出向いたCupertino city councilでの冒頭での話しだ。

ボクがBerkeleyで大学院生だった頃、HPから毎年厚さ3-4cmのハードカバーのカタログが研究室に送られて来て、中を見るのがちょっと楽しみだった。HPで一番よく知られた製品は、いわゆるスペアナ (spectrum analyzer)だったのではないか。そういった製品の中でも、ボクが一番HPを尊敬するというか、スゴいなと思った製品が、原子時計 (atomic clock)だった。個人が趣味で必要な物でも、ボクの専門分野の研究で必要なものでも全くないのだが、一台くらい欲しいものだと夢想していた。何に使うかって?そんな事は知るか、だ。

福島で有名になったセシウムだが、原子時計には安全な放射性でないセシウム133が使われている。もちろん、皆さんが普段使っているカーナビを可能にしているGPS衛星にも小型の原子時計が搭載されている。これはAgilent製かどうかは知らないが。

いつからかは忘れたが、一秒という時間の単位はもうズ〜ッと前から地球の自転という天体の運動によって決められているのではなく、(ちょっと表現は不正確だが)セシウム原子(Cs-133)が 9,192,631,770回振動するのにかかる時間として国際標準により定義されている。地球の自転は結構ブレまくっているから。

念のため繰り返しますが、原子時計は核分裂や放射能とはまったく関係無しです。この究極の精度を持つ時計を自宅においても安全です。安全デマではありません。

NO. -- HPの科学計算用の電卓を持っていた事はない。ボクが大学生のころは高かったし、RPNって、訳が分からん。使いたいとは思わなかった。TIの電卓を何台か買った。そのころ、個人で持てるHP製品って、電卓くらいだったな。

参考:
Unit of time (second) 
BIPM (Bureau International des Poids et Mesures)
http://www.bipm.org/en/si/si_brochure/chapter2/2-1/second.html

5071A Primary Frequency Standard (Product line sold to Symmetricom)
http://www.home.agilent.com/agilent/product.jspx?cc=US&lc=eng&nid=-536900388.536880128
Symmetiricom
http://www.symmetricom.com/products/frequency-references/cesium-frequency-standard/
Keeping Time with Atoms
http://metrologyforum.tm.agilent.com/cesium.shtml

GPS and Precision Timing Applications (Application Note 1272)
http://metrologyforum.tm.agilent.com/pdf/AN1272.pdf

The Science of Timekeeping (Application Note 1289)
http://metrologyforum.tm.agilent.com/pdf/AN1289.pdf
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9/11とその後を振返って

9/11アタックそのものは、昨日のポストで紹介した
Understanding 9/11  A Television News Archive
http://www.archive.org/details/911
を見るのが良いと思うが、その結果起ったイラク戦争とアメリカの変質について振り返ることも重要だろう。短い物を何か一つだけ見る/読むとしたら、ボクはこれだと思う。今それ以上見る余裕はボクには無い。どうせ何かの特集があるだろうが、ボクは地デジ難民なので、見る事は無い。

John le Carré: "The United States of America Has Gone Mad"
http://www.democracynow.org/2010/9/20/john_le_carr_the_united_states
http://www.youtube.com/watch?v=k5RUgmEA4R0

Essay text:
by John le Carré (January 15, 2003 by the Times/UK)
http://www.commondreams.org/views03/0115-01.htm

ブレア首相が徹底的に批判されているが、当時の日本の首相も直ぐに同様のことをしたことは覚えておくべきだろう。このJohn le Carréのエッセイが日本の大手メディアで紹介されることは無いだろう。

John le Carréは今は小説家になっているが、かつてJames Bondで有名な英国のMI6の本物のスパイだった人だ。少なくとも、世界で何が起っているかについての理解は、そこらの誰より格段に持っているだろうと思う。小説は読んだ事は無い。
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2011年8月27日土曜日

全テレビ放送の24/7完全記録

もうじき、9/11の10周年を迎えるが、その時のテレビニュースのアーカイブ(末尾のリンク)が最近注目を浴びている。このアーカイブを作った人たちのインタビューがDemocracyNow!にあるが、それを見て思ったのは、日本では誰か同様なテレビ放送の24/7完全記録はやっているのだろうかという疑問。

著作権の問題で、記録しても公開は現在の時点ではできないだろうが、著作権の問題は必ず将来的には解決されるはず。米国や日本で本来の民主主義が機能していない一つの原因が、ニュースを含むテレビ番組や新聞記事が流れては消えて行き、ピンポイントで該当部分を引用できない事にあると思う。新聞等は、わざと記事へのリンクを消滅させて、その価値を台無しにしている。

KahleとPrelingerたちは2000年から、日本のNHKを含む全世界の20チャネルを24時間/7日で完全記録していた物を抜粋して(他のホームビデオも追加して)9/11のNews Archiveを公開したそうだ。2000年といえば、まだコンピュータでビデオを本当に手軽に扱えるようにはなっていなかった時代だ。

日本でも、誰かが、どこかで完全記録をやっているだろうか?国会図書館はやっているだろうか?NHKは、自分のところはやっているかもしれないが、KahleとPrelingerが言うように、世界に分散して5カ所くらいにコピーがあるのが望ましい。

東北の地震・津波と福島の原発事故のニュースも世界各地の放送局が伝えた完全記録があるはずだ。何年か後に、このアーカイブのように "Understanding 3/11 Earthquake, Tsunami and Fukushima:  A Television News Archive" (仮称)を見て、ボクらは何を思うだろうか?

The 9/11 TV News Archive: 3,000 Hours of Video News Coverage of 2001 Attacks Posted Online
http://www.democracynow.org/2011/8/24/the_9_11_tv_news_archive

Pioneering Internet Archivists Brewster Kahle and Rick Prelinger on Preservation in the Digital Age
http://www.democracynow.org/2011/8/24/pioneering_internet_archivists_brewster_kahle_and

BREWSTER KAHLE: The Internet Archive has been recording television from 20 channels—Russian, Chinese, Japanese, Iraqi, Al Jazeera, BBC, CNN, ABC, Fox—24 hours a day, DVD quality, since late 2000. And so, this was an ongoing record of this recording of these TV broadcasts, because we found that the Library of Congress was not creating a systematic archive, and we weren’t able to find any other source that would be able to make a library.

When the events of September 11th happened, we, as most everybody else, were quite shocked and tried to figure out what it is we can do. And we thought, well, maybe we could actually go and take these materials and help people understand an international perspective of what just happened. And we took 3,000 hours, from September 11th to September 15th, and made it available on the internet for free viewing on October 11th, 2001. This was three years before YouTube. The idea was to try to help people understand the world.

Understanding 9/11  A Television News Archive
http://www.archive.org/details/911
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2011年8月23日火曜日

小出裕章:除染はできません。校庭等のごく限られた場所を除いて基本的には除染はできない。

京都大の小出裕章さんが、「避難民の気持ちを考えないで、心ないことを言う」といった的外れの批判を(おそらく)覚悟の上で発言されている。以前より、発言がストレートになった。

マスコミや政府が、今でも意味不明の言い逃ればかりで、はっきりと知らせてくれない深刻な現実を伝えるためだろう。3.11以来、精力的に講演、インタビュー、証言を行ってこられたが、それでも彼の話しを聞く機会を持てた人々は少数派だ。本来なら、もっと大メディアが取り上げても良いはずなのに、多くの人は知らない。オープンだが、隠されている。

発言がストレートになったのは、あまりにも現実の深刻さを分かってくれない多くの国民に、なんとか本当の危機的状況を直視して欲しいという決意からだと思う。政府が口先で希望を持たせるようなウソを言っても、山林、田畑に降り積もった放射能を取り除く事は、もうできないという事を。当たり前だが、芝生ではないのだから、山林や草原や河川を丸ごと剥いで、植え替えるようなことは、たとえいくらお金があってもできないと。

以前、2、30年は帰れないという、それでも楽観的な同様の発言を首相と参与が言った言わないと、マスコミや世論が理不尽にたたいた事があったが、それはもう3月中には、ほとんど事実だと分かっていた事。本来の仕事をちゃんとやっている記者や専門家であれば、分かっていたはずだ。

2011年8月22日(月)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」小出裕章
http://www.youtube.com/watch?v=NRyuym1PNIs  (MP3 audio)
「子供たちが集中的に遊ぶ校庭などは必ず除染しなければいけませんが、地域や市町村で見れば本当に限られた所しか除染はできません。」

まったく、日本のメディアの状況は、映画で時々見る災害や緊急事態の状況に似ている。今この国は、テレビ等は使い物にならなくなって、原始的な方法による通信に頼らざるを得なくなるような時を描いた映画の様な状況にある。モールスコードまでは行かなくても、ラジオ、Net、CS/BSテレビで、かろうじて本当のことがわかる。大手新聞・地上波テレビは強力なjammingを受けていて、使い物にならない。いや、本当は原始的なのは逆か。

そういえば、ボクが高校生のころ、英語の短波放送を聞いていると、よくjammingがあった。今のテレビ・新聞はああいいう感じだ。簡単にはjammingされていることが分からないところが、陰湿だが。あんまり、いい例えではないか。上の最後の2パラグラフは、無視して下さい。

参照:
小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/08/23/tanemaki-aug2-2/
書き起こし:
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65759478.html
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2011年8月21日日曜日

お薦めビデオ:ハーバード大BioVisionsのInner Life of the Cell

そんなに新しくはなく2007年制作のビデオですが、1個の細胞の中にあるミクロ(ナノ)の世界を素晴らしいアニメーションで見せてくれるビデオを、どなたにもお薦めします。

我々の体はものすごい数の細胞からできていますが、その1個1個の内部には宇宙といっても良いくらい、複雑で精緻な世界が広がっています。普通は見る事ができないし、自分の体の細胞でも自覚する事は無い世界ですが、ある程度知識としては知っているはずの生物系のボクのような研究者でも、こうしてCGの動画で見せられるとあらためて感動するところがあります。

ボクの専門は視覚の神経科学で、細胞の中のことは全く専門では無いのですが、神経細胞も細胞ですから、時間に余裕がある時は、神経回路による情報の伝達や処理に関する授業の最初に、このビデオを見てもらう事にしています。

BioVisions at Harvard University
http://multimedia.mcb.harvard.edu/

このサイトで最初に出る画面の左端をクリックすると、左側に4個のボタンが出ますが、その一番上の"The Inner Life Series"を押して下さい。そうすると下の画面になります。
BioVisions at Harvard University
英語の解説が不要なかたは 上段左の"3 Minute Music Version"を、英語解説を聞いてみたい方は下段の "Super Speed Version"をクリックしてください。(きれいな英語の解説なので、このくらいは分かるようになってください。細胞についての前提知識がある程度必要ですが。)

ビデオのちょうど中程で、kinesinという motor proteinがmicrotubuleというチューブ状のヒモの上を、vesicleという自分のサイズに比べると大きな袋を一生懸命引っ張って運んでいるように、どうしても見えてしまうと思います。Kinesinは単なる分子なので、別に意識があって一生懸命頑張っているわけではまったく無いのですが。

「あなた」や「私」は、これらのものすごい数の細胞や細胞内のナノマシーンたちが、うまく協調して働いてくれているから生きていられるわけで、そんな分子や細胞たちに声をかけるなんてバカげているとは思いつつも、見えない彼らに「ご苦労さん!」と言ってみたい気になります。(気持ちです。「水伝」の二の舞はマズいので、気をつけて下さいね。)

最初は宇宙の塵から始まって、進化によりこんな精巧なシステムができ上がって、「あなた」という個が今生きていること自体が奇跡的です。あんまりこういう事を書くと危ないと思われがちですが、でも事実です。(米国では、intelligent designとか言って、生命の精巧なシステムが神の証拠等と、逆方向に相当に危ないことになっています。裁判にまでなって踏みとどまりましたが、この点は本当にかなり危ない国です。)

原発の核分裂生成物から出る放射線は、DNAを損傷させることにより、こうした細胞内ナノマシーンの設計図を壊し、奇形部品にしたり、機能できないように、あるいは害になる機能を発揮するようにしてしまうわけです。

国のリーダーたちは、どうも多数の国民を守ることを最優先とは考えていないようですが、「あなた」は、体の中にいる莫大な数の細胞や細胞内のナノマシーンたちのリーダーであり、彼らを守る責任者です。「あなた」がたとえ子供であっても、生命という奇跡が続かないようなことを大人がやることを許すべきではないと思います。選挙権はありませんが、できることはたくさんあります。「あなた」が大人であれば、なおさらで、生命の奇跡を守る責任は二重に重くなります。

今回本当に理解できたことは、核エネルギー自体が生命の根本とは相容れないものだということです。我々が必要とするのは電気であって、「核で作った電気」というわけではないのですから、こんな生命に反する方法で電気を作るのは、すぐにでも止めにすべきです。言うまでもありませんが、いやいや本当は電気ではなくて、「その気なら核兵器いつでも作れる抑止力」のために原発を持ち続けなければならない、なんて言っている真性バカの言う事を聞いてはいけません。

純粋に生命に関するビデオの推薦のつもりで始めましたが、結論はやっぱり原発になってしまいました。3.11をもって世界は変わったのですから、弁解はしません。
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2011年8月20日土曜日

Androidの非常にマズ〜い状況:Google & Motorola Mobility

スマートフォン/タブレットOSとしてのAndroidは、前からDroidDream等のセキュリティ上の問題はありましたが、シェアはApple, RIM, Nokia, HP以外のほとんど全てのメーカーに採用される勢いでここまで来ています。

しかし、市場的なことは良くわかりませんが、最近のGoogleによるMotorola Mobilityのとてつもない大金をかけた買収は、どうも非常にマズい状況のようですね。

日経とか読んでも、どうも奥歯に物が挟まったような書き方で、良く分からないですが(業界紙はボロクソに書けない?)、以前から鋭い指摘をしているとボクが思う国外サイトは、例外無くネガティブです。ほとんがAndroidを採用している日本の携帯/タブレットメーカーは、会見やプレスリリースでは歓迎するとか言うしか無いのでしょうが、Googleに裏切られたという気持ちと、今後の展開に関して、イヤ〜な感じを持っていると思います。これからどうするつもりでしょうか?

HPがPalmから買ったWebOSも最近ボツにされたし、今更RIMのように、かつてreal-time OSとしてその分野では有名だったQNXでもないだろうし、こうなると、今はほとんどシェアゼロですが、Nokiaに続いてWindows Phone 7も、そう悪い選択肢では無いかなと思えて来ます。

しかし、Googleって変な企業です。少し前にあったNortelのパテントのオークションでは、円周率piとか、数学/物理の有名な定数の何桁もある切りの悪い数字を入札の金額で使うとか、数字遊びをやっていて、結局買えずに失敗しました。それで、今回は焦ったのでしょうか?驚きなのは、普通オークションに派遣される人は、そんな数字は覚えていそうでは無いと思うのですが、Google社員は部門に関係なく全員nerdだということなのでしょうか。

The perils of licensing to your competitors (asymco/ Horace Dediu):
http://www.asymco.com/2011/08/15/the-perils-of-licensing-to-your-competitors/

The Critical Path (Episode #4: Dan Benjamin and Horace Dediu)
http://5by5.tv/criticalpath/4

Google moves Android from a PlaysForSure strategy to Zune strategy
August 15th, 2011 (RoughlyDrafted Magazine)
http://www.roughlydrafted.com/2011/08/15/google-moves-android-from-a-playsforsure-strategy-to-zune-strategy/

Google’s acquisition of Motorola set to doom Android, Chrome OS
August 16th, 2011  (RoughlyDrafted Magazine)
http://www.roughlydrafted.com/2011/08/16/googles-acquisition-of-motorola-set-to-doom-android-chrome-os/
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2011年8月19日金曜日

Warren Buffett:大金持ちを甘やかすのは止めろ

稀に、こういうのがニュースになるが、どういうわけか多くの人はあまり知らない。

Stop Coddling the Super-Rich
By WARREN E. BUFFETT
NYT: August 14, 2011
http://www.nytimes.com/2011/08/15/opinion/stop-coddling-the-super-rich.html

Charlie Rose Interview with Warren Buffett
on Monday, August 15, 2011
http://www.charlierose.com/view/interview/11845
Warren Buffett discusses his New York Times Op-Ed piece 'Stop Coddling
the Super-Rich' which calls on Congress to increase taxes on the
Super-Rich like himself.

The Daily Show with Jon Stewart (August 18, 2011)
World of Class Warfare - Warren Buffett vs. Wealthy Conservatives
http://www.thedailyshow.com/watch/thu-august-18-2011/world-of-class-warfare---warren-buffett-vs--wealthy-conservatives
(Fox NewsはJokeネタ満載、しかし米国の半分は真剣にこれだからかなり絶望的)

所得分布のトップ2-3%の大金持ちに集中する状況は、米国ほどヒドくはないにしても、同様のことは日本でも20年前から起っている。

大沢真理(東大、社会科学研究所)
お金を使っている割に、貧困を押さえ込めていない。
再分配が機能していない。貧困削減率がマイナスの日本
BS Fuji Prime News 2011-02-04
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d110204_0
3:30~

20年前の税率に戻せというのが解だそうだが、意図的にかどうかは分からないが、
マスメディアではそういう意見が主流にならないように、どこからか抑制が入るのだろう。

所得の極端なトップ集中がピークになったのが、1928年と2007年だそうだ(Robert Reich)。それぞれ、翌年に何が起ったかは、よく知られている通り。
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2011年8月15日月曜日

終わらない2つの敗戦処理

今日は「終戦記念日」の8月15日だった。なかなか終わらない2つの敗戦処理について少し考えた。長々書いてもしょうがないので、要点だけ。

一つは、戦争に例えられるほどに悲惨な原発事故に関する敗戦処理。今後100年以上はかかる処理になるだろう。しかし、こんなことが二度と起らないようにするために必要な社会の変革は、その気になればもっと早くできるはずだ。ただ、それには1945年当時以上の意思と覚悟が必要かもしれない。この期に及んでも、まだ原発を抱えて突撃したい人たちがいるから。子供や若い人たちのこれ以上の被曝を何とか防ぎ、できるだけ早く全原発を停止しなければ、と思う。遅くても、定期検査に入った原発から順次停止させ、そのまま二度と再稼働させないスケジュールで行くべきだ。大失敗をした責任も取っていない旧機関の旧メンバーによる旧基準に基づく審査しかされていない泊原発に、このまま運転継続を認めてはならない。北海道知事さん、そんな審査結果を丸呑みするような、いい加減な判断をしないでください。

もう一つは、とうの昔に完了していたと思っていた、第二次世界大戦の敗戦処理。民間や国民のレベルではほぼ完了しているが、実は国のトップレベルではまだまだ終わっていなかった事を、この2年間の色々な出来事により思い知らされた。

どちらの敗戦処理も共通して難しいのは、大きな力を持つ人たちの中に、現状を変えたくない人たちがかなりいるという点に根本原因があるからだ。どうしたらいいのか、良くはわからないが、少なくとも今年の8.15は、そういう現状認識を持てた事を一歩の前進として、あるべき姿へ向けた、一人の個人としてのスタートを切るきっかけにできればと思う。

2011年8月14日日曜日

大手メディアの感覚と意識を疑う泊原発に関する記事

泊原発再稼働問題〜原子力安全委、安全チェックを保安院に丸投げ(OurPlanet-TV)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1195

経産省・保安院に原発の安全管理を丸投げ―原子力安全委員会のお寒い実態(田中龍作ジャーナル)
http://tanakaryusaku.jp/2011/08/0002762

傍聴人の「不規則発言」の是非は別にして、上の2つのレポートから分かる事は、原子力ムラが全てを取り仕切っている状況は3.11以前と、何も変わっていないということだ。何故なんだ?未だに、同じメンバーが何事も無かったかのように、粛々と以前と同様の馴れ合い審査を行っている。

これだけの混乱があったこの日の原子力安全委員会について、日経の記述は下記の2文のみ。その場に記者は居たはずだが、多くの傍聴人からの抗議と委員会の中断とそのまま散会には、ニュースとしての価値は無いと判断したようだ。そのズレた意識と感覚、問題意識の片鱗も感じられない記事に、ただ呆れる。「委員から異論は出なかった。」だそうです。事実としては、間違っていないけれど、いくら日経でも、こんな記事のために月何千円も払っていると思うと腹が立つ。

日経朝刊 2011年8月12日
「泊原発の最終検査は10日に終了し、国の原子力安全委員会は11日午後の臨時会議で経産省原子力安全・保安院から「安全基準上の問題はない」との報告を受けた。委員から異論は出なかった。」

2011年8月13日土曜日

福島避難準備区域の解除には強く反対します

やはり、これが現実。

ボクは農業と家を継がずに外に出た農家の不肖の長男です。この農家の婿さんのこと、少しは分かるつもり。行政やマスコミよりはよほど信じられる。前にも書きましたが、緊急時避難準備区域を解除って、本来やるべき事と真逆の方針。狂ってるとしか思えない。旧ソ連時代のチェルノブイリでも、そんな無茶な事はしなかった。

そもそも、解除の論理も全く意味不明。「工程表の「ステップ1」の終了を受けた判断」って、工程表そのものに意味があるかどうかは別にしても、判断の材料として原発自体がどうなっているかはほとんど無意味で、既に降り積もってそのままになっている広範囲・大量の放射性物質が問題なのに。

米が本当にヤバいのは来年だ(農家の婿のブログ)
http://ameblo.jp/noukanomuko/entry-10984305630.html
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大阪市民は関西電力の筆頭株主としての責任を果たして欲しい

大阪市は2010年のアニュアルレポートによれば、関西電力の9%以上の株式を所有する筆頭株主だ。神戸市は3%なので、大阪市+神戸市なら12%以上になる。

自治体が電力会社の株式を保有する目的・理由は知らないが、大阪市民の皆さんは筆頭株主として、現在関西電力が持つ原発をどうするつもりなのか、発送電分離をどのように進めるのか等を含め、東京電力の二の舞になる前に、今後の方針について株主責任を果たして欲しい。市長が市民を代表しその権利を行使することになるのだろうが、市民が株主なのだから。
下記のアニュアルレポート P.66から
関西電力 アニュアルレポート 2010
http://www1.kepco.co.jp/ir/annual/2010/index.html
http://www1.kepco.co.jp/ir/annual/2010/pdf/ar2010j_12.pdf
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2011年8月12日金曜日

アップル時価総額が終値でも米企業の首位に

8月10日のニューヨーク株式市場で、米アップルの時価総額が終値でも初めて米企業首位になったそうだ。喜ばしいことだ。1989年5月に初めて現在のMacの前身であるNeXT Cubeに触れてからの22年間を振り返ると、感慨深い。無理矢理ボスに買わせた、この最初のNeXT、25MHz Motorola 68030, 12MB RAM, 660MB HDD、ホスト名は pinoko.berkeley.edu だった。Developer Campにも行って使い倒し、研究成果的にも、もとは取ったと思っている。

1997年のAppleによるNeXT買収(結果的にはNeXTによるAppleの逆take-overだったが)と共に、初めてAppleユーザになって以来、ボクにとってAppleの状況はほとんど理想的な経過をたどって来たと思う。これ以前のAppleとMacには、全く興味が無かった。オリジナルのApple IIとかMac等、PCの歴史として意義はあるんだろうが、個人的にはどうでもよかった。

現在のAppleの成功の種は、1980年代後半から始まったNeXTとNeXTのOSである、NeXTSTEP (NeXTStep)のデザインの良さにあると思っている。Appleのデザインと言うと、その製品の外観の良さばかりが普通注目されがちだが、ハードウエアの内部と、ソフトウエアの設計の健全さの方が、実はもっと重要であることは、あまり知られていない。

MacのOSであるMacOS Xだけでなく、iPhoneやiPadのOSであるiOSも、源流をたどればNeXTSTEPに行き着く。BSD系のMach/UnixをベースOSとして、その上に25年間の改良を経たObjective-Cベースの多くのオブジェクトライブラリとしての様々なフレームワーク/ Kitが載っている。携帯のケの字も知らなかったAppleが2007年に初めて出したiPhoneで最初から成功できたのは、1986年頃からのNeXTの技術と経験が実は背景にある。

製品の外観としてのデザインだけでなく、むしろ内部のソフトウエア部品の機能的な作りまで美しくデザインされた成果が、市場での成功という点でもようやく日の目を見たのだと言える。しかし、CarbonとかJavaを過渡的にうまく使ってデベロッパーを騙してここまで引っ張って来たほぼ10年がかりの作戦も、うまくやった物だと思う。もう誰もCocoaに文句を付ける人はいない。

NeXTに夢中になっていた頃は、ボクはBerkeleyでポスドクをしていたが、1990-1991年頃、大阪大学が数百台のNeXTを教育用に導入した事は、米国のNeXTコミュニティでも非常に話題になった。日本にも分かる人はいるのだと、当時感心した事を思い出す。

しかし、その後のNeXTのハードウエアからの撤退やCanonとの関係で、いろいろトラウマがあったのだろうか?あの頃はコンピュータに関しては先進的だった阪大も、今では、サイバーメディアセンターにある学部学生の入門教育用のコンピュータは、Windowsベースのショウモ無いシステムになってしまっている。残念なことだ。Windows上のVirtualマシンの上で、Linuxを動かしたりなんて、ちょっと許し難い悲しい状況だ。

少なくとも、誰も研究室で使うマシンをWindowsにしろ等とバカな事を言って来ないだけでも、良しとすべきか。大阪大学を志望する受験生の皆さんとご父兄の方々+学部学生の皆さん、大学で最初に使うコンピュータがWindowsだからといって、研究室や世の中一般を動かしているコンピュータがWindowsばかりだ等とは、決して思い込まないで下さいね。
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2011年8月10日水曜日

やることが逆ではないのか?福島避難準備区域 来月上旬に全地区解除

福島市等も含めて、少なくとも子供たちを早急に避難させるべき地区をさらに追加するのが当然だと思うのに、この時点で一部でも指定区域を解除?やることが逆ではないのか?

25年前のChernobylの同レベル汚染地区でさえ、旧住民は戻れていないのに、5ヶ月で帰れとは、ムチャクチャだ。いったいどういうつもりなのか、私には理解できない。新聞報道等で、この方針に疑問を呈している記事も見られない。避難準備区域から避難している住民の罹災証明も今後は無効にして、この区域からの避難民は戻って放射能まみれになることを我慢しろという事か?賠償金を減らす事が目的なのか?

福島避難準備区域 来月上旬に全地区解除
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011081002000045.html
「... 政府は緊急時避難準備区域に指定した福島県の南相馬、田村両市、広野、楢葉両町、川内村に対し、除染作業や道路など生活インフラの「復旧計画」を一カ月程度で作成するよう要請。全ての自治体が復旧計画を提出後、除染の進展などを個別に協議した上で一斉に解除する。」
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2011年8月4日木曜日

文部科学省が公開した航空機モニタリングが示す広範囲の放射能汚染

文部科学省が7月の航空機モニタリング計測結果を公開している。以前に比べて汚染された地域が良く分かるマップになっている。

このような正直な地図を公開し始めたのは歓迎だが、この地域の特に子供たちを早く集団疎開させ、住民を避難民として認定し、賠償やその他のサポートを受けられるようにすべきだ。

もし、風下になる確率が高い原発の東側に土地が広がっていたら、どこまで汚染が広がったかを想像するだけで、そら恐ろしい。柏崎刈羽、敦賀、玄海など多くの原発の東側には、今回は高レベル汚染を免れた地域が広がっている。同様に設計されムラの八百長審査を受けた原発に後付けで何を補強しようと、本質的危険が回避できるとは、とても思えない。
下記PDFのページ8から
平成23年7月27日
文部科学省及び栃木県による航空機モニタリングの測定結果について
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/07/27/1305819_0727.pdf
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2011年8月3日水曜日

衆議院TVや全ての国の著作物は、原則として自由な複製・再配布を許すか、パブリックドメインとすべきだ

2011年7月29日金曜日のポスト
http://www.ohzawa.net/2011/07/blog-post_29.html
で紹介した児玉龍彦氏の衆議院での証言のビデオ(末尾にリンクを再掲載)がYouTubeから削除されている。【2013-12-06追記:今は見られるようだが、当初削除されていたことがあった。今でも国会審議や行政の会見のコンテンツが削除される事例はあり、以下の論旨は現在もあてはまる。】

だれが削除を依頼したかは分からないが、残念なことだと思う。

衆議院TV:著作権・リンクについて
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=CR
の記述からすれば、削除されても文句は言えないが、私は国会審議のビデオ記録に著作権を設定すること自体が、最初から間違っていると思う。もし、国が作成する著作物のコピー・再配布に関する制限を課す根拠が法律にあるのなら、改正されるべきだし、無いのであれば、即刻制限を撤廃すべきだ。このリンク先の内容に関する私の意見は次の通り:
  1.  国民の税金で作成された国会審議のビデオ等を含む全ての国の著作物はコピーや無制限の再配布を制限すべきでは無い。公務員が業務として作成した全てがこれに当てはまる。この点では米国における国の著作物に関する著作権法の規定を見習い(※末尾リンク参照)、本来パブリックドメインとされるべきものだ。(少なくともCreative-Commonsライセンス等により、実質的にそうすべきだ。)
  2. リンクが自由なのは当たり前。断る必要はない。
  3. トップページにリンクするようにとの指定はバカげている。ある特定のビデオの特定の個所(ビデオのはじめからの時間)への直接リンクを可能にして、発言の引用が可能なようにすべきだ。
  4. リンク設定を行った場合、通知を求める根拠がわからない。不要な要求をしないでいただきたい。
削除されたYouTubeビデオ:
2011.07.27 国の原発対応に満身の怒り - 児玉龍彦
http://www.youtube.com/watch?v=O9sTLQSZfwo
2011年7月27日 (水) 衆議院厚生労働委員会
「放射線の健康への影響」参考人説明より
児玉龍彦(参考人 東京大学先端科学技術研究センター教授 東京大学アイソトープ総合センター長)

上記委員会の衆議院TVのURL:
http://www.shugiintv.go.jp/jp/video_lib3.php?deli_id=41163&media_type=wb
(このリンクまでもが使えなくなるようだと、Video Archiveシステムとしては本当にダメダメですね。)

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【2013-12-06追記】米国では政府や国会のビデオ等はどうあつかわれているか:

ホワイトハウス、NASAや国務省を含む多くの省庁では、自前で会見ビデオ等を公開しており、これらに著作権は設定されていない。つまり、パブリックドメイン。さらに、ストリーミングでビデオを視聴できるだけでなく、ダウンロードも自由にできるようになっている。

米国の議会審議の中継とアーカイブはC-SPANというケーブル会社の共同体が運営する非営利企業の義務として法律で規程され、提供されている。ここでも、ダウンロードしたコンテンツはブログなどで非営利の利用についてはライセンスは必要無く、自由に使えるようになっている。
"Under C-SPAN's copyright policy a license is generally not required to post a recording of C-SPAN's video coverage of federal government events online for non-commercial purposes so long as C-SPAN is attributed as the source of the video."

※ 米国における国の著作物に関する著作権法の規定
CENDI Frequently Asked Questions about Copyright:
3.0  U.S. GOVERNMENT WORKS
http://www.cendi.gov/publications/04-8copyright.html#30
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私は、日本でも国の著作物と政府の記者会見、および国会審議のコンテンツについては、米国のやり方をそのまま踏襲して良い、ぜひそうすべきだとと思っている。
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