2014年9月9日火曜日

田母神氏らの煽動に乗って、国費外国人留学生制度を破壊してはならない

人を育てることを主眼とする「国費外国人制度留学生制度」ほど、日本にとってポジティブで無駄の無いお金の使い方は他に無いと言えます。

ODAが時に現地で望まれない「箱もの」プロジェクトや軍事的装備などに使われ、日本企業へのバラマキ度合いも高まりつつある近年、なおさらのことです。

留学は、相互に行き来があるのが理想的です。国費留学生制度はそのための控えめな仕組みです。

私自身、国費留学ではないですが、米国に大学院留学し、学位をとることができたのは、いろいろな留学生支援制度や現地での奨学金、授業料免除、TA・RA等があったおかげです。

私も支援を受けた様に、多くの国が、相互に留学生を支援しています。当然のことです。

紛争や対立を未然に防ぐのも、起きかけた時に解決法を探るにも、最終的には人と人の関係が重要なことくらい、誰にでも分かる話です。日本の大学を母校とし、架け橋となってくれる最も有力な候補となれる人たちを追い返そうとする田母神氏の脳裏には、軍事力・武力しか浮かばないのでしょうか?

今、大学教員として、時に留学生を受け入れる立場ですが、
こうした制度は、決して留学生当人のためになるだけではありません。
留学生が一人研究室にいるだけで、どれだけ他の学生が刺激を受け、啓発され、広い物の見方を知ることにつながることでしょう。

日本人学生の困難は、もちろん深刻で、ローンでなく真の奨学金や、キャンパスでの仕事の提供を拡充する事などで本当に何とかすべきですが、国費留学制度を止めてすべきことではないでしょう。

田母神氏がやっているようなおかしな煽動に乗ってはいけません。

どんなに働いても生きて行けるだけの賃金が得られない労働環境で、非正規雇用の人々と生活保護受給者という、弱者同士を敵対させ、結局さらに賃金と保護の切り下げスパイラルを招くような煽動と同じ構図をここに見ます。

おかしな「クールジャパン」系のサーカスに惑わされず、こうした一見地味でも成果を上げている既存の良い制度をさらに改善して欲しいものです。

最近、政府の批判をすることも多いですが、国費外国人制度留学生制度は強く支持します。

機能している数少ない国際社会への橋を焼き払う様なマネをしてはならないと思います。


参考:
[1] 国費外国人留学生制度について
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/06032818.htm

[2] 2015年度日本政府(文部科学省)奨学金留学生募集要項 学部留学生
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/boshu/1346511.htm

[3] 国費外国人留学生制度の成果・効果と改革の方向性
立命館大学生命科学部教授 谷口吉弘, ウエブマガジン「留学交流」2011年9月
http://www.jasso.go.jp/about/documents/yoshihirotaniguchi.pdf

[4] 田母神俊雄 ‏@toshio_tamogami
「いま中国、韓国からの留学生に毎月14万2500円の奨学金が支給されます。また授業料も国立大学は免除、私立大学は文部科学省負担ということで、彼らは大変優遇されています。医療費の80%、日本に来るとき、帰るときのの飛行機代も日本負担です。住宅手当も出ます。日本人大学生が可愛そうです。」
6:48 AM - 8 Sep 2014
https://twitter.com/toshio_tamogami/status/508733547159367680